飯テロ・ボーイズ!

夕日ゆうや

第1話 唐揚げ。

「今日はポプラちゃんのリアタイと!」

 俺はニヤリと口の端を歪めて、暗い部屋の中でテレビの予約視聴を設定する。

 時間まで今までの話数を振り返ってみるか。

 一話からの視聴を始めると、すっかりいい時間になっていた。

 リアタイをして見終わる。

 興奮した様子で寝付けない。しかも腹が減ってきた。

「なにか食べものは……」

『飯テロ・ボーイズ!』

 何やら変な声が聞こえてくる。

『今、食べたいのは唐揚げ!』

 じゅるりとよだれがたれそうになる俺。

 からっと揚がった衣の匂い。

『外はカリッと、中はジューシーに!』

 戦隊もののヒーローみたいな格好をした青年たちが、唐揚げを頬張る。

『これにレモンをかける。酸味がほどよい!』

『そうでなくとも脂の甘みと、衣の塩気がほどよい!』

 ゴクリと喉が鳴る。

『さらに、このビールでのどごし抜群!』

「くぅ。飲みてー!」

 泡の層とビールの金色が映える。

 ごくごくと飲み始める飯テロ・ボーイズ。

『ぷはー! そして唐揚げ!』

 サクッと、そしてじゅわっと広がる肉汁。

「く、くそ――っ! た、食べて――!」

『我ら、飯テロ・ボーイズ! 解散!』

 さっと散っていく飯テロ・ボーイズ。

「辛抱たまらん! 俺はコンビニにいく!」

 俺はコンビニに行き、唐揚げとビールを買うのだった。

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