小説風の日記の切れ端

◇作品束に保管された数ページに亘って書かれた小説風日記◇



この世界の出来事は、全て自分が見ている夢なのではないかと思う。

目は覚めるのか、そんなことは分からないけれどこれが夢だと思うのもいいかげんではないかと思うのだけれど

自分はとてもワカラナイものだと思った。


どこからか聞こえた大きめな音だ。眠っていた俺の意職誤字:意識は目覚めた。

その音がなんであるのかは、その思こうがつかえるようになるまで未知のものだったが、しばらくするとそれが「ケイタイのアラーム音」だと思った。

そうすると、「兄のもの」だと勝手に結論を出してしまった脳と反対に体は「目覚ましを止めなくては」という反射的な動きを始める。

己の体温で暖かくなっている毛布の中を腕がうごめく。だが、いっこうにケイタイらしき感触はしない。

毛布の中でないならば毛布の外かと、ようやくまぶたが開き窓の外のかすかな光が視界に飛びこんで来た。

アラームはベッドの中で音を放っているわけではなかった。

ベッドの外、三段ベッドの窓側、三段目、一番下のベッドを引き出して作られたベッドの「裏」と呼ばれる場所から、そのアラーム音は響いていた。

無意識に、体はベッドのさくから下をのぞく。

案のじょうケイタイはそこにあった。小さな画面を光らせて音を鳴らしていた。

のそりっと上半身をベッドから出し、そのまま1mぐらい下のケイタイに手を■のばし拾い上げた。

上半身をベッドの毛布にくるまりながらケイタイを開き、アラームを切る。

そうしてベッドに倒れた。

目をとじる前になにげなくケイタイを開く、時刻は6時。何も考えずに窓の外に視線をやる。

朝にしては濃い闇色、夜にしては明るい青色。色だけで言うなれば「明け方」っと言った所だろうか。

時刻を知っていても折れは自然に考える。

『まだ早い』

そうしてまくらもとにつんでいた本の山に目をやり、目をとじた。



手もとでアラーム音、眠いわけではなかったが、寝ていたようだった。

再びケイタイを開く、そこには6:30との表示。

     「30分も...」

小さい羽虫の飛ぶような、また息のような声がもれた。

意職にはっきりと残っている窓の外の色。条件反射か窓の方を向く。

窓の外は暗かったが、色は黒い白になっていた。微かに雨音も聞こえた。

『あめ』「あぁめぇ」

奇妙な言葉が口からこぼれた。背中、下のベッドには気はいはないが大きな「何か」がのっているとベッドの木材が語る。

足の方向、となりの部屋の開きっぱなしのふすまの向こうのかべ。の下の方で呼吸の音。

『俺以外誰も起きていない』

寝起きとは思えないほど、完全に起きているけれどベッドから出る気はおきなかった。

だからか、手だけを動かして頭の周りにある漫画を引っぱって来た。

そうやってつかんだコミックは

◇と◇『××××』

しかも4冊セット400円の帯付き

       「まあいいにゃぁ」

気のぬけるような声がかってにもれて来る。

「毒づめ」『ポイズンクロー』などといみょうを持つ己のつめをビニールにたてる。そしてはっと気がついた。

『本が切れる』

……しかたないのでビニールをとめてあるセロハンテープを引っぱる。セロハンはのびず、かわりにビニールがのびた。

      「きれにゃい」

引っぱり続けると引っぱっている部分の中心が破けて来た。引っぱるいちを破けた部分に近づけてゆくと4冊とも取り出せる大きさまでビニールが破けた。

そのまま本をとり出し、先程まで置いていたいちと反対の場所に置く、そして1巻を選び、目の前で開いた。


・・・インパクト、アリ。


   「ぅゃぁ」

先程から小さく気のぬけた声しか出ない。もしかすると頭が気づかないだけで眠いのかもしれない。

        「にゃてみにゅか」

開いた漫画を閉じて、他の巻を置いた場所へパサッと置く。

いつのまにか冷え切った手を、一番暖かい中心部分に入れる。出ていた肩を毛布でくるみ、上に被せていたかけぶとんを体のある「かしょ」,全体にかぶせた。

光を視界に入れると眠ることができないのでかけぶとんを顔へかけ、再び目をつむった。





「起きろ!遅刻するぞ」

いつものおどし文句で起こされた。

その言葉を放った人物を視界に入れた時、条件反射で体をはね起し、頭を上げてケイタイを開く。

そして先程の言葉をてらしあわせて、『またか、』と心の中でつぶやいた。

時刻は6:56分、外から聞こえる雨音は「微か」どころか「やかましい』■までなっていた。

雨が降っているので散歩はなし、飯は食パン1枚で充分。散歩がないと言うことは私服に着変誤字:替える必要なし=30分は余ゆうができる。

「・・・・・・おにゃすみ!」

起こしに来てもらって悪いけれどまだ寝れるのだ。すいみんとはできるときにしなければいけない。

そんなことを思いながら毛布にくるまる。暖かい、

「にゅくい」

何度か同じ事を口にしていると、


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る