原稿用紙に書かれた癖の描写

 ◇作品束から隔離保管された朽ちつつある原稿用紙の一枚◇


 指をつたって

 体を増やし、

 赤い玉となって

 くうに落ちる。

 落ちる先には、赤い海

 ピチャッと音を立てて

 海に波を広めながら、

 死へのリズムを、かもし出す


 それを見つめるモノ一人一つ

 それだけを見ている。




◇■彼らには自傷行為形跡があった■◇

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