代筆者が貸したある日のツイート

何処かにある垢

@*********

****年9月22日

死んだなら死んだままでありたいし

そのまま死なせておきたいが何処か縋る所もあるところが問題

逆に死体蹴りする気持ちもある複雑な相手ではあるが

確かに香りの通りの子であって一切の愛情は相互的にあった筈なんだよなぁ…





何処かにある垢

@*********

小さな花が似合う子でした

腐葉土の上に座り込んでも苦ではなく

そこで眠ってしまいたいような子でした

作られた地面が嫌いな子でした

踏みしめられて、敷き詰められた芝が嫌いな子でした

然し苔が好きな子でした

大輪ではないのに、美しい子でした

嫌われることを気にしないつもりだった子でした

午前2:17 · ****年9月22日


何処かにある垢

@*********

自己を貫いた子でした

枷を外され与えられた責全てを背負って壊れた子でした

誰にも言わずに踏み殺された子でした

誰にも言えずに枯れていった子でした

貴方が良い匂いと言った香りは貴方の殺した子供でした

貴方の生んだ貴方の黙殺した子供でした


とてもかわいい子でした

可愛いからこそ憎い子でした


何処かにある垢

@********

憎くて仕方のない子でした

今も憎い子でした

それでも愛しさは変わらない子でした

誰もが忘れた同窓を忘れられない子でした

死地で献花を探し続ける子でした

絵本に残った同窓を覚えている子でした


愛する必要のない子を憐れみとして愛した子でした


もういいから、あの子はお前を殺したよ


何処かにある垢

@*********

憐れみとしてでも明確に愛した子でした

だからもういいのだと、もうアレは関心を持たなくていいのだと伝えたい子でした

可愛い名前の子でした

可愛くなりたい子でした

可愛い子でした

叫べない子でした

声を失った子でした

言葉を使わない子でした



何処かにある垢

@*********

誰よりも私が愛したはずの子でした





何処かにある垢

@*********

全て叶える能力位、あった筈なのに

叶えられなかった子でした






何処かにある垢

@*********

私はあの子の命日すら知らない

憎くてかわいくて美しくてどうしようもない

いとしい子


何処かにある垢

@*********

本当に好きな花はなにか

本当に好きな色は

本当に好きなものは

何一つ残してくれなかった


だから、私は貴方に献花するならばその名前を贈るよ



何処かにある垢

@*********

他に何も知らない子でした

何も教えてくれない子でした

何もわからない子でした

全部全部、推測でしかなかった子でした


嗚呼、それでも私は貴方の墓も知らない




◇代筆者(平八)の鍵垢にて、自由にさせた所呟かれたログ◇

◇直前に何かあったらしい◇


■改変されていたプロフィールの抜粋■

(発見、投稿により現在は修正済み)



*あの子 とは

あの子、故人

色々あるので全て過去形で思う事はあるけれど愛していたことは確かだった

尚、実在した人物である



一定の時期の記憶が飛んでいるが、記録と生活に支障がない部分は残っている。

のであの子も過去も知らない部分がある。

消えて欲しい人物がいた事が分かっているが、どうでもいい。

消えて欲しくなかった人がいた事も分かっているが、いないものを強請っても意味がない



◇私にはこの改変をしたのが厳密に彼らの中の誰かが分からない◇


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