結局善行を成している……? もしや、本物の勇者さまでは?

善人であったために、過去に散々な目に遭ったらしいヤナと、同志のダークエルフ・フォルネシア。
二人は偽勇者として、行く先々で悪逆非道の限りを尽くし、人々から金品を奪い、嘆く人々に高笑いしながら暴力を振るう――ことはせず。
なんだかんだ結局、善行を成してしまう。しかし、本人たちの認識では、これはまごうことなき悪行らしい。

ここのギャップがコミカルで面白く、しかも二人が真っ当に強いという事実がまた笑いを誘います。
拝読する最中、ずっとニヤニヤしてしまっていました。

真っ当にやっていれば、ランク上位の勇者にだってなれるのでは? お金もガポガポもらえて、多少横暴なことをしても許されるのでは……?
もしや、勇者関係でなにか酷い目に遭ったのでしょうか?
始まったばかりのお話のため(※レビュー当時)、そこは明かされていませんが、コメディを書きつつ過去や人物背景の広がりを読み手に感じさせられるのも、高い筆力の成せる技だと思います。

次はどんな悪行を成すのかは分かりませんが、悪行を成す最中で何故か人が救われてしまうのは確かでしょう。
何故なのかは、彼らの悪行におののくばかりの私では、さっぱり分かりません。

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