第4話 今日から戦士と言われても

 銀太郎たちが部屋に入ると、カードゲームをして「キャッキャ」と騒いでいた男二人と少女が手を止め銀太郎たちを見た。


 一人は40代の男性で身長185cmくらい、短髪で色黒がっちりした体格、白いTシャツに黒のスーツ。

 もう一人は20歳くらいの青年で身長170cmくらい、銀髪のサラサラなストレートヘヤーで少し長め、色白で華奢な体格、ジーパンに柄物のシャツ、袖を肘のところまでまくっていた。

 そして10歳くらいの少女は、薄紫色のショートヘアーに鮮やかなブルーのワンピース、子供には似合わない薄いブルーのサングラスをしていた。


「新しい仲間の銀太郎ね、私凛(リン)、よろしく。」と、10歳くらいの少女が言った。


「右側の40歳くらいに見えるのが圭太(ケイタ)、真ん中の20歳くらいに見えるのが俊介(シュンスケ)」


 圭太と俊介は、銀太郎に向かって軽く微笑んだ。


「で、彩花と翔。みんな違う歳に見えるけど、本当はみんな銀太郎と同じ28歳だよ!」

「もちろん私もね!」


 銀太郎は衝撃を受けた!


(まったく違う歳に見えるのに全員同じ年だなんて!)


「銀太郎、かなり衝撃的だったようね。後は、私が説明するわ」


 彩花は銀太郎に向かって説明を始めた。


「私も含めた他の5人も速く動く能力を持っているのよ」

「でもね。この能力を使うと高速で動くために身体が老化してしまうのよ」

「もちろん銀太郎、あなたもこの能力を使うと老けてしまうのよ!」


 銀太郎は眉をひそめながら、彩花の説明を聞いた。ここに居る全員が速く動け、しかもそれ以外の能力があると言うこと。その中で凛はIQ500以上の超天才児で、さらに100km離れた場所の動きを感じることが出来ること。


(IQ500って、あるのか)


 彩花は続けた。


「この隠れ家のロボットたちは、私達が作り上げたもので、私たちの戦いを支えるための頼もしい仲間なの」

「私たちが作ったと言っても、全て凛ちゃんの設計だけどね」

「そして、私たちが抱える問題についても話さなければならないわね」


 銀太郎は興味津々で聞き入る。

 彩花は、自らを神と呼んでいる集団が居ること。彼らも高速で動く能力を持っていてその力を使うと老化すること。しかし、彼らは人間の生命を奪うことで若返ると信じていて、人間の生命をもて遊んで楽しんでいることなどを説明した。

 彩花は続けて銀太郎に言った。


「私たちは偽神達の殺人行為を阻止し、人々を守るためにに密かに戦ってるの。この力を持ったからにはあなたも戦士として選ばれたことになるのよ。だから、銀太郎も私たちと一緒に戦ってほしいと思ってる」


 銀太郎は深く考えた後、問いかけた。


「俺にそんな大役が務まるかな。速く動けるのは解ったけど、それだけでその偽の神様達に勝てるのかな」

 

「やらなくてもいいけど今のままでは、すぐに死ぬわね!―――」


 と、凛が笑いながら言った。


「え〜!」

「じゃ、嫌だ!―――」


―――銀太郎は、叫んだ!



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