12話 屍姫ネクロマリア


異世界パンドラ』はめちゃめちゃ楽しい。

 普通の冒険ゲームならLvを上げて、強さを増して、やれる事が増えて、その充足感だけで終わりだった。

 だけどこの冒険ゲームにはその先がある。

 金だ。


 モンスターの素材や新資源が金に繋がるんだから、本気でハマらないはずもない。命がけだが、攻略法を編み出すために思考錯誤を重ねるのも癖になる。


「ゲーム時代と比べて金貨のドロップがしぶすぎだよなあ……」

「なにかの奇跡が起きて、パパーッとレベルを上げられたら嬉しいのであーる」


 高校からの友達である和樹かずき剛士つよしはそうぼやくが、俺はそうは思わない。


「奇跡に左右されるより、努力の積み重ねがもの言う方が楽しいだろ?」

「へーへー。身分に恵まれたタカはいいよなー」

「不公平なのであーる」


 たしかに、俺は幸運にもステータス身分【狩人かりゅうど】に目覚め、最初から【鷹の目ホークアイ】という技術パッシブがある。

 望遠鏡を覗き込んだみたいに遠距離を見れたり、遠くからでも弓を命中させるのに便利な技術パッシブだ。弓スキルを強化している俺からすればバッチリの相性だ。


 そして俺はそれを十全に使いこなすための努力を惜しまない。

 毎日毎日、弓の鍛錬を欠かさずにしている。

 現状に不平不満をこぼし、不確かな奇跡とやらに頼る二人とは違う。



「羨ましいぜ【狩人】! 俺なんて身分【村人】だぜ? 【狩人】の身分って、今のところどこに行ってもなれそうにないし」

「狩猟を生業にしてる村落でも発見し、そこなる神の封印を解ければ【狩人】になれそうなのであーる」


 和樹かずきの不満に、剛士つよしが冷静な分析を述べる。

 確かに今後、人類が活動できる黄金領域を増やしていけば【狩人】の身分をもらえる街や村はあるだろう。初期の五大黄金領域ですら、特定のクエストや諸々の条件をクリアすれば様々な身分に変更できるわけだし。


 とはいえ【狩人】のように、優秀な技能パッシブを習得できる身分は極僅かだ。

 だからこそ運や奇跡なんかに頼らず、実直に努力するべきなんだ。


「【異世界アップデート】が起きて、封印が解かれた都市ってまだ5つだけなんだよね?」

「難易度がゲーム時代より高すぎなのであーる……命がけな分、慎重になっている現実もあーる」

「しっかし、でかすぎるよな【異世界パンドラ】ってさ」

「大変なのであーる」


「世界が広いのは攻略のし甲斐があっていいことだろ」


 この遠くを見渡せる目でどこまでも見てみたい。

 そんな思いが胸中に広がる。


「ったく、タカばっかりLvが上がるじゃん」

和樹かずきも私みたいに身分【剣闘士】になるのはどうだ? 闘技場で3勝すればなれるし、技能パッシブもなかなかいい感じなのである。当分は【剣闘士】のままLvを上げて、今よりもっと強力な魔物を倒して金貨を稼ぐのであーる!」


「闘技場で稼がんのかい」

「いや、あそこは負けた時のことを考えるとリスキーすぎるのである」


「そんなところを俺に勧めんな」


 言い合う2人を眺めれば、彼らの頭上にはLvが表示される。


:高木和樹 Lv1:

豪田剛士ごうだつよし Lv3:


 和樹は昨夜までLv5の身分【戦士】だった。

 しかし【強欲の人食い箱ミミック・ドレイン】というトラップ系のモンスターと遭遇して、レベルドレインと身分の劣化という永続デバフを受けてしまったのだ。

 そして剛士は【村人】Lv5だったが、【剣闘士】になると習得できる技術パッシブ『対人戦』を手に入れるために闘技場に挑戦し、結果は3勝2敗でLvが2つもダウンしてしまった。

 勝利で稼いだ大量の金貨は技術パッシブに注ぎ込んだらしく、Lvは二の次にしたらしい。


 そして俺はLv6の【狩人】だ。

 和樹の『自分だけ置いてけぼり感』で焦ってしまう気持ちはわかる。

 だからこそ、俺たちは今ここにいる。



「まあまあ、【白き千剣の大葬原】でLv上げをこうして手伝うんだし、そんな文句言うなよ。ほら、コツコツ努力。奇跡なんざ願ってもそうそう来るもんじゃないしよ」


鷹部たかべの言う通りなのである。ここは私が習得した【対人戦】の恩恵にあやかっておくのであーる」

「わるいな……2人ともありがとう」


 この地に出現する【亡者】は、Lv5以上、記憶5以上の冒険者には金貨を落とさなくなる。だから和樹は俺が完全にお手伝いになると理解しているから、素直にお礼を言ってくれた。

 ちなみに剛士つよしが新たに習得した技術パッシブは、人型の魔物に与えるダメージ量が増えるというもの。また、闘技場などで戦う人間に与えるダメージも増加するようだ。


「亡者は人型の魔物であーる! 今夜は狩り尽くすのであーる!」

「わかってると思うけど、腰より高い草が生える場所は近づくなよ」

「わかってるぜ」


 こうして月夜が降り注ぐ白い草原で、俺たちの【亡者】狩りは始まった。

 この時の俺たちはまだ、まさか狩られる側になるとは夢にも思っていなかった。

 そしてあんな奇跡を目の当たりにするなんて————





 それは・・・和樹や剛士つよしのLvが上昇し、【亡者】狩りも200体目を超えたあたりで起きた。

 俺たちとやや近い地点で、同じく【亡者】狩りをしていた2人PTの冒険者が悲鳴をあげたのだ。


「うそだろ!? おい、スイッチ早く!」

「な、なんで!? 待ってくれ、ぎゃあ!」


 月明かりを頼りに【鷹の目ホークアイ】で凝視すれば、2人ともLv3だと判明。そして蠢く何かに引きずられるように、白い草原の中に消えていった。

 草の高さは膝上あたりで、腰より低い。

 地中から【亡者】が出てくるエリアではないはずだ。


「おい、タカ。あっちの冒険者に何があった? 俺等じゃこの距離だとはっきり見えなくて」

「彼らはなかなか【亡者】狩りの動きも熟知していたのであーる。やられる可能性は低いのであーる」


「……見間違いじゃなければ、地中から出てくる【亡者】たちに殺されたと思う」


 和樹は剣を、剛士は斧を、それぞれが緊張感を伴って武器を握り直す。

 俺も俺で緩んだ意識を張り詰めなおすように、弓の弦をピンと引き伸ばす。


「【亡者】狩り、油断は禁物なのである」

「ああ……っていうか、おかしいぞ? 周りを見てみろよ」


「……あれ? 俺ら以外、冒険者がいなくないか?」


 急いで【鷹の目ホークアイ】を駆使してぐるりと見渡す。すると、かなり遠くの方には冒険者がチラホラいるけど、俺たちの周辺だけいつの間にか人っ子一人いなくなっていた。

 まるで月光の魔性に溶かされてしまったかのような、そんな不気味さを覚える。


「なあ、こんなことありえるのか……?」


 不意に和樹が放った疑問の一言は、納得のいく内容だった。

【異世界アップデート】が来てから新人冒険者は後を絶たない。冒険者は確実に増え続け、だからこそ低レベル帯のレベリングポイントとして人気な『白き千剣の大葬原』に、こんな大規模な空白地帯が生まれるのか?

 考えられるとしたら————


「この辺の冒険者が【亡者】に狩り尽くされた?」


「どうやって……? 集団で襲いかかったのか?」

「そんな事態になっていたら、大騒ぎなのである」


「とっくに俺らだって徒党を組んで対抗してるはず————」


 そこまで言って俺たちに戦慄が走る。

 現に俺たちは自分たちが最後のPTになるまで、この異変に気付かなかった。そう、この状況は仕組まれた可能性がある。

 まるで俺らに悟らせないよう、疑問を抱かせないよう、他のPTと団結させないように……不自然にならないよう、少しずつ冒険者は削られていったのでは?


そこには明らかに知性と、組織だった動き……なおかつ暗殺者じみた何かを感じた。


 おかしい。

【亡者】といえば知性のかけらもなく、意思もなく、ただフラフラと徘徊するだけのモブだ。

 

「おい! 【亡者】が2体来てるぞ!」

「待て、あちらからも1体いるのである!」


 合計3体、不自然なポップ数ではない。

 それぞれの【亡者】には距離があり、各個撃破も十分に狙える位置だ。だが、どうにも疑念は払拭できない。


 なぜならその方角だ。

 ちょうど俺たち3人に合せるように三方向から【亡者】たちはゆっくりと歩み寄って来るのだ。


「まずは俺が仕留める」


 俺が躊躇なく弓を射かけ、遠距離から二射で【亡者】の一体をほふる。次いで二体目に狙いを定めようとした瞬間、信じられないことが起きた。

 仕留めたばかりの【亡者】の足元から、新しい【亡者】が這い出てきたのだ。


 偶然とは言い切れない不気味さを感じた。

 そう、まるでそのフォーメーションには何者かの意思があるような……俺たちの注意をそれぞれ引き寄せておきたいような————


「タカ! 足元!」

「なっ、こっちもだぞ!?」

「ありえないのである!?」


 見れば俺たちの足元から【亡者】がそれぞれ2体ほど出現していた。

 ピンポイントで同じタイミング、合計6体もの【亡者】が出現するなんてありえない。

 和樹と剛士は近距離武器もあってどうにかいなせたけど、俺はそうもいかない。【亡者】2体に組み付かれ、弓を射るどころの話ではなくなってしまった。

 たちどころに死の恐怖が襲い掛かった。


「うおおおお! 俺のレベルリングのせいで、タカを死なせるかああああ!」


 和樹は未だに一体の【亡者】に取りつかれてるにも拘わらず、俺の上半身に掴みかかった【亡者】に体当たりをかましてくれる。その拍子でバランスを崩した和樹は転んでしまい、そのまま【亡者】の猛攻をくらうはめに。


「くそ、くそ! 【二連射撃】!」


 和樹のおかげで自由になった両腕を駆使し、下半身にまとわりつく【亡者】の頭部に一呼吸で矢を放つ。続けて和樹を援護しようと弓を構えるが、すでに和樹は……首を食いちぎられていた。


「嘘……だろ……?」

「何をぼーっとしているのである! 鷹部たかべ! 逃げるのである!」


「あ……ああっ……」


 どうにか【亡者】を振り切ろうと俺たちは走りだす。

 だが、またここで不可思議な現象が起きた。

 俺たちの進行方向に、今までの比ではない数の【亡者】たちが地面から湧き出たのだ。ぼこぼこと【亡者】の壁が前方に生える様は、地獄の光景そのものだった。


「10体近くも!? まるで壁なのであーる!」


 壁……確かに、その先にいる誰かを守るような出現の仕方だ……?


「くそ! なら別の方へ行くぞ!」


 不思議と別の方角は【亡者】の数がそこまで多くなかったので、必死になって駆ける。途中、剛士つよしが放った『まるで壁』という言葉が気になり、本来であれば俺たちが進むはずだった地点を【鷹の目】で盗み見る。

 そこには草の影からでも伺えるほどの密度で、土から上半身だけを出した無数の【亡者】が俺たちを見つめていた。

 その中心には髪の長い——多分、アレは女性?


「ぐおおお!? 私はダメなのである! 鷹部は先に行くのであーるうぅぅぅううっ!」


 ついに剛士も足を掴まれてしまったのか、派手に転んでいた。そして俺が為す術もなく群がる【亡者】の波に呑まれてしまった。

 俺は草が少しでも揺れた箇所は避けつつ、必至に駆け続けた。

 時には矢を射かけて牽制し、だけども絶対に足は止まらせない。



「ふむふむ、やっぱりLv5以上の冒険者を狙うのは難しいか」


 どこからか、美しい音色が聞こえたような気がした。


 次の瞬間、俺の視界は【亡者】のあぎとでいっぱいになる。

 全身に訪れた痛み、そして死への恐怖が俺を支配する。必死にもがいて抵抗するが、次第に身体の感覚が薄れ、ついに俺の意識は途切れた。



 そして再び目を覚ますと————

 ん? 目を覚ます?


「————輪廻りんねと命運を握る我がもとに、再び生を吹き返せ」


 ぼんやりとした意識をどうにか覚醒させ、すぐに【鷹の目ホークアイ】を発動して周囲を伺う。

 すると少し離れた地点で、うら若き少女が1人いることに気付いた。


 そして俺はもともと軽く混乱していたが、さらに混乱してしまう。


 あの少女は一体なにを……しているんだ……?

 彼女は虹色に煌めく魂のようなものに囲まれ、幻想的な光景の中にいた。

 

 それはまるで神話のワンシーンのような……荘厳で美しい、幻?

 否、あれはおそらく、奇跡。

 奇跡という他ない。


 なぜなら彼女の周囲ではこと切れた冒険者が、次々と息を吹き返したからだ。

 そう、俺は今、多くの冒険者が救われる奇跡を目にしている!?


 そしてはたと気付く。

 俺もその奇跡の御業によって、命を取り留めた一人であると……!

 

 月明かりよりも美しい銀髪をなびかせ、揺らめく炎よりも輝く紅玉色の瞳。そしてあどけなさすぎる相貌に不釣り合いな胸のふくらみ。

 あの恰好は……ゴスロリ服か?


 と、とにかく、な、なんて可憐な存在なんだ……。

 彼女の存在こそが奇跡なのでは? と錯覚してしまうほどに、俺は感動していた。


 か、彼女にはどんなに感謝してもしきれない。

 もはや崇敬の念すら抱き始めている自分に気付く。


 だが、一つだけ疑問が浮かぶ。

 彼女は冒険者たちを復活させると、すぐに草むらの影に隠れてしまったのだ。

 俺は【鷹の目ホークアイ】があるからどうにか追えたものの、周囲の冒険者たちは何か起きたか判然としていない様子だ。


「あ……あれ? 俺らって、死んだ、よな……?」

「も、亡者が大量に現れたのであーる……」


 現に和樹も剛士も、彼女に復活させてもらったと認知できていない。

 どうして彼女はコソコソと隠れたりしたんだ……?


「いや、でも死んでたら俺たち生きてないよな?」

「まさか幻惑魔法を受けていたのであるか?」


「まあ蘇生よりかは現実味があるよな」

異世界パンドラ……何が起こるかわからないのであーる」


「……でもあの感覚は確かに現実っぽかったけどなあ」

「仮に蘇生魔法を扱える者がいたとしたら、大騒ぎなのであーる」


 剛士つよしの発言に、俺は納得がいった。

 そうか。


 彼女は表立って蘇生魔法を披露するつもりはない、と……。

 蘇生魔法なんて使えると知れ渡ったら、かなり最前線の攻略に同行せざるを得なくなるわけだ。確かに身の危険が増えるだろう。

 それでも、身バレのリスクを負ってまで俺たちを復活してくれたことに感謝するべきだ。


 だから俺は和樹と剛士に、つい呟いてしまった。


「たぶん……奇跡ってやつじゃないか?」


「はっ。あの奇跡嫌いのタカがそんなことを言うなんてな」

鷹部たかべはなんだか嬉しそうなのである。でも、奇跡なんて信じないのであーる。幻惑魔法のたぐいを疑うべきであーる」


「じゃなきゃ、聖女様だろうよ」


「は? なんで急に聖女って単語が出て来るんだよ」

「鷹部もついに命の危機を味わって、推しができたのであるか? 推しの大切さがわかったのであるか? であるなら私のお勧めライバーはそらちーと言って————」


「うるせえよ。なんとなく、言ってみただけだ」


 こいつらと無駄話してるヒマがあるなら、俺は早急に共有しなきゃいけない情報があると気付く。


「多分……大量の【亡者】に襲われたのは事実だと思う。その証拠に俺は見たんだ」


 俺は死ぬ間際にうっすらと見た、しかばねの壁によって守られた何かについて語る。

 あれもきっと見間違いではないはずだ。


 できるだけ多くの冒険者に危険を知らせなくては。

 これが聖女様に救われた、せめてもの恩返しだろう。

 直接お礼を言えない分、彼女が再び蘇生魔法を使う機会を少しでも減らそうと動くのが、俺なりの感謝の伝え方だ。





「ふうー、大量大量」


【亡者】による冒険者狩りは概ね順調な結果となった。

 もちろん鉱石集めもだ。


「だけど冒険者が逃げの一辺倒になってしまうと狩り辛いなあ……【亡者】の低い素早さを考慮した包囲網をどう形成するか、それが今後の課題?」


 二つの目的を効率よく果たした僕は何食わぬ顔で【剣闘市オールドナイン】に戻る。

 そして、『精錬』をするために炉のある一画を目指す。その道中で妙に熱を帯びた話し合いが耳に入ったので、少し立ち止まってみる。


「【亡者】の冠位種ネームドが発見されただと!?」

冠位種ネームド?」


「まだLv差がありすぎて正式名称が見えないモンスターの総称だよ。冒険者が独自の呼び名をつけて流布するって感じだ」

「んで、【亡者】の冠位種ネームドがいるって本当なの?」


「本当だ。暗がりで距離もあったし、月明かりだけが頼りだったから、はっきりとは見えなかったが……亡者たちを従える髪の長い……多分アレは女性だ」

「【亡者】に命令を下す女王ってか」


「ああ、確かに見た! 間違いなく女性型の魔物が指示してたはずだ! 次々と【亡者】を地面から生み出してたんだ!」

不死者ネクロマンスを生む母ねえ……」


「いや、母というよりは少女のような——そう、ちょうどあれぐらいの年頃の可愛らしい少女っぽさが————って、ぶっ!?」

「おい、鷹部たかべよぉ……いきなり吹き出すなや……汚すぎるだろ」


「すっ、すまん……」


 そう言って僕を指さす冒険者は、さきほど復活させたばかりの1人だった。

 たしかけっこう粘った弓使いだったっけ。


 ふむふむ、あの距離でもシルエットを把握されていたとは。

 あの時は急にこちらにダッシュし始めたから、焦ってとっさに【亡者】の壁を作ってしまったけど、逆にそれが僕の居場所を特定させる仇になったのかもしれない。

 今後の冒険者狩りはより慎重にやらないとか……。


「うお!? めちゃくちゃ美少女だな!? さすがにあんな可愛い魔物はおらんやろ」

「あ、あの娘のことはいいから……それより俺の話をしっかり聞いてくれ」


「わかったわかった。んで、その冠位種ネームドは、さしずめ【屍姫しきネクロマリア】とでも呼ぶか?」

「そうだ。そういうのがしっくりくる」


「おいおい、面白そうな話してんじゃねえか!」

「そいつを討伐したら特殊な技術パッシブやスキルがドロップするかもしれないぜ!?」

「で、出現条件は?」

「あんなのは初めてだったし、考えられるのは『天候:月夜』とか?」


 噂の炎にまきはくべられ、その熱気はより増していった。

 多くの冒険者が集まれば、一気に金貨を集めやすくなる。それこそ高レベル冒険者が多ければ多いほど、その旨味は増していくのだ。


 僕は笑みをどうにかこらえ、素知らぬ顔でその場を後にした。





◇◇◇◇

あとがき


今日はTwitterマンガも更新します!

#TS魔王ちゃんねる

@hoshikuzuponpon


よかったら覗いてみてください!

◇◇◇◇

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