子供しかいない町で 5人の子供を勝ち抜く方法 ~時代は異能力!もう平凡な日々は終わりダァ!~

イズラ

「プロローグ」 石蹴り

 「裕子ちゃん!おっはよ~!今日何の日か知ってるー?」


――西上 里奈にしがみ りな

 これが私の名前。

 でも、名前を付けた親を私は知らない。



 「あ、里奈。お、おはよ~.....。今日も元気だね~」


――赤金 裕子あかがね ゆうこ

 私の友達。

 一個下の16歳。



 私はいつも腰に巻いている お気に入りのエプロンをひるがえして言う。


 「さーて、今日は何して遊ぼっか!」


 裕子ちゃんは 眩しい日差しに目を細めながら言う。


 「うーん、つってももう、昨日いろいろ やり過ぎて、飽きちゃったかも」


 裕子ちゃんの兎の耳みたいな寝ぐせに、私は少し笑ったけど、裕子は気づいていないみたい。




 「そうだ、散歩しよっか!今日は」


 裕子ちゃんが笑顔で提案したが、私はそこまでしたくない.....。


 「えー散歩~?それって運動でしょー?やだ」


 裕子ちゃんは間髪入れずに私の肩に手を置いて言った。


 「行こう」


 謎の圧を感じ、私は仕方なく公園から歩き出した。




 道路を歩きながら、裕子ちゃんは笑い気味に言った。


 「そうそう、散歩、なんだけど 本当のことを言うと、今日はいろんな場所に寄りたいんだ~」


 「へぇ~、それじゃぁ元々 私と公園で遊ぶつもりなんて なかったの?」


 私が強く問い詰めると、裕子ちゃんは 急に取り乱した。


 「ち、違うよ!別にそういう訳、じゃ.....ないよ.....」


 .....沈黙が続いた。

 私も裕子ちゃんも 下を向いている。

 黙って、裕子ちゃんが向かう方に付いて行く私。


 私がそこら辺の石を蹴ると、石は前の方に吹っ飛んでいった。

 すると、裕子ちゃんはその石を蹴った。無言で。


 だから、今度は私が前に行って、石を蹴った。

 すかさず裕子ちゃんが前に行き、石を蹴った。

 また私が前に行き、石を蹴っ































 目










 目が










 目が覚めた。


 私は一体、何をしていたのだろうか。


 気が付いたら、薄暗い部屋に、私は横になって寝ていた。

 壁は濁った緑色。

 上を見ると、大きな照明が淡く光っていた。


 私の寝ているベッドは、やけに硬い。

 まるで手術台



 手術台?



 「見...お...と...っ...だ...う!」


 途切れ途切れで、遠くから声が聞こえてきた。


 「奴.....重.....だ!.....し抜け出し....、...のまま絶命.........なったら、我々............ると...う?」


 声はどんどん近づいてくる。

 聞いたことのない声。

 とても怖い。


 ここはどこなの?

 裕子ちゃんは?

 私はどうなっちゃったの?

 誰か

 誰か

 助けて

 助けて




 「な!もう目覚めているだと!?キサマ!麻酔は打っていないのか!!?」


 「.....は!はい!!ただ、ただいま打ちます!」


 近づいてくる。



 殺される.....!




 殺される


 殺される


 殺される


 殺される


 殺される


 殺される


 殺される





















――里奈――――里奈!―――――里奈ってば!!起きて!




「!!!!!」




「良かった~、ベンチで寝てるからびっくりしちゃったよ~!

昨日は ほんっとにいろいろしたから、疲れてるんだね。は~、安心」




 ..........裕子.....ちゃん.....?


 ここは.....公園.....私たちが遊ぶ予定だった.....。



 「ところで里奈。私さー、昨日いろいろ し過ぎて 飽きちゃったんだよね~。

もう新しい遊びもないでしょ?だからさ~、散歩、しよ!」



 里奈.....それ.....さっきも..........同じ下りを..........?


 .....ダメだ.....頭が.....頭が.....クラクラする..........。




 「もう.....ダメ..........―――――――

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