第2話 懐かしい同級生。なんでお前が転校してくるんだ!
キーコーンカーコン
「おい、ユウキ学食いこーぜ」
「おうって沢田!?」
目の前には制服を着た、まだちょっと幼い沢田がいた。
いやちょっとどころじゃない幼すぎる。
「え、何驚いてんの」
「お前あの後無事だったか!ミサイルに巻き込まれなかったか?」
「何言ってんだよユウキ笑まだ寝ぼけてんのか、あんな簡単な因数分解も解けなくて居眠りしてるとかバカだな笑」
沢田が世界大戦の記憶がない?どういうことなのだろうか?俺だけ未来の記憶を保持したまま高校生に戻ってるということなのだろうか!?
とりあえず過去に戻ったというのは本当だった。
というか、あんなガキがエリート商社マンになるのか…
「早く行こうぜ」
「お、おう」
「ラーメンうめええええええええええ久しぶりだーーー」
「ユウキどうしたの、いっつもラーメン食ってんじゃん」
「いやー美味しいなーと思って。お前もラーメンと食べ物にはちゃんと感謝するんだぞ」
「何言ってんのユウキおじさんかよ笑」
(お、おじさん!?…)
ちょっとショックを受けた。
「おつーちょっと先生に呼び出しくらって遅れたー」
誰だこいつって後藤!
「後藤じゃねーか!」
「ユウキどったの?俺の顔見てそんな驚いて」
「いやー懐かしくて」
こいつ、俺は最強のミュージシャンになるとか言って進路希望調査にミュージシャンとか書いてたっけか。
まあ挫折して、普通に働くんだけどな。
「懐かしいってか昨日も俺ら3人でカラオケ行ったろ笑」
「そ、そうだったな」
とりあえず怪しまれないように話を合わせることにした。
にしてもこいつら、若いな。
「てかユウキ、あんな簡単な因数分解も解けないってどうしちゃったの?」
「んーあれだよ、調子悪かったんだよ」
「調子の問題なのか?まあいいや、また放課後どっか行かね?」
沢田が反応する。
「おういいねー。新しくできたカフェでも行ってみる?」
「いいな!沢田にしてはナイスアイデーア」
「にしてはは余計だわ」
この感じ懐かしいな。俺は思わず感動して涙を流してしまった。
「おい、ユウキ何泣いてんだよ笑」
「放課後呼び出しくらったからか笑」
おじさんになると涙腺が緩むとはこのことか…
無念だ…
キーンコーンカーコーン
「突然だが午後の授業からで悪いが、転校生を発表する。
ガララ
「
はああ!ってあの神様じゃねーか!なんで過去にいんだよ!
キーンコーンカーンコーン
「やっと放課後だなーユウキ早くカフェ行こうぜ」
「すまん、沢田ちょっと玄関で待っててくれ」
「なんで?あ、呼び出しか」
「そう、今から叱られてこなきゃならないんだ。後藤にも伝えておいてくれ!」
「おう」
俺は真っ先に転校してきた神様のところに話に行った。
「おい、お前なんで過去にいるんだよ、てかなんで俺高校生なんだよ!」
「それは、俺が神様だからだ」
「いやそれ答えになってないから」
「さっきも言ったはずだ、お前に世界を救ってもらうために過去に飛ばした」
「それは分かったけど、なんで高校生?」
「それは、この時代が分岐点だからだ」
「そうなのか…」
大声で話していたら周りがざわつき始めた。それは、転校生が変な口調で大声で話していたら注目されるよなと当たり前のことを思い小声で喋ることに。
「おい、神様、とりあえずその口調やめて小声で喋るぞ」
「え、なんでだ」
「お前は鈍感か。こんな口調の転校生いたら注目されるに決まってんだろ」
「そうか分かった」
「とりあえず高校生っぽく振る舞うわなきゃお互い怪しまれる」
「分かったよ★」
「うわ、きも似合わな」
「お前が高校生っぽく話せと言ったからだろ!」
「シー。とりあえずその口調でいいからこれからお互いを呼ぶときは苗字で呼び合おう俺は神様のことを神保君て呼ぶから神様は立川君とかで頼む」
「お、おう」
「立川!」
後ろには先生がいた。
「お前放課後職員室ってい言ったろ!」
「はい!すいません!」
俺は職員室に入り20分ほどありがたいお説教を聞かされた。
「もう居眠りとかするなよ」
「はい」
「そういえば立川、なんで転校生の神保とあんな仲良く喋ってたんだ?」
ギク!
「それはですね先生、僕も、積極的に転校生に声かけようと思ったからですよ!」
「本当にそれだけか?」
「いやだなー先生。それだけっすよ。あと仲良くなれそうでしたし」
「そうか分かった帰ってよし」
「失礼しましたー」
意外と鋭い質問をされ冷や汗をかいてしまった。と職員室を出ると神様がいた。
「なんでおま、神保君がここに?」
「さっきの話の続き」
「分かった」
「ここが分岐点って話はしたよな?」
「うん」
「だからこの時代で立川君に未来を変えてもらいたい」
「でもなんで、神保君がこの時代にいるのに君が変えないの?」
「それは、未来でも説明した通り、お前がトリガーだからだ」
「ちょっと口調戻ってる!」
通りすがる生徒に引いた目で見られた。
「このままだと俺たちのあだ名は厨二病になってしまうから、とりあえず今日のところ一回帰って電話で事情を説明してもうわ。携帯持ってる?」
「一応」
「よし連絡先交換とじゃあまた夜」
「ああ」
玄関に行ったら沢田たちが待ってた。すっかりカフェに行くことを忘れていた。
「おせーよユウキ」
「すまんすまん、先生のお説教が長引いちゃって」
「いいから早く行こうぜ」
外に出ると久しぶりに壊れていない町を見て感動した。
素晴らしき日本の建築技術!
「うわーすげー綺麗」
「お前、急に田舎者?」
「いや、空が綺麗だなと思って」
「あ、そう」
後藤に突っ込まれたり、話したりでカフェに到着した。
「このパンケーキうまそうだね」
「うわ、これはカロリーがやばそうだぞ。脂肪つくぞ。やめとけ」
「ユウキ、お前なんでそんな糖質制限中のおっさんみたいなこと言うんだよ笑」
やっべ本音漏れてた。
「いやー今から体型維持なんてな笑」
「そんなガリガリなのに?笑まあいいや、今日ぐらい食おうぜ」
「そうだな笑」
「じゃあ3人ともこれでいいよな」
「おう」
パンケーキが到着して、久しぶりにパンケーキを噛み締めた。
久しぶりのパンケーキを嗜んでいると沢田に突っ込まれた。
「なんかさ、今日のユウキ変じゃない?変なもんでも食った?」
「え!?いつも通りだよ」
「そう?なんかおじさん臭さがあるんだよなー。あと全体的に変だし」
おじさん!!?心の中でむかっときたかが堪えた。そりゃもう30手前ですもん。
「いやー。なんか大人になったってことじゃないか?」
「そうかなー昨日はあんなにカラオケではしゃいでたのに?」
「成長だよ!成長」
「1日でそんな変わるわけないだろ」
「まーともかく早く食べようぜ」
3人とも食べ終わって、帰路に着いた。
「じゃあな」
「おう」
3人とも別の道になり別れた。帰宅したら、親父とおかんと妹がいるんだよなと思うと、なぜか感動的になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます