第3話 ピアノ教室に通う

 逆行して4ヶ月が経過した。社交性9だったので、頑張って幼稚園では友達作りに励んだ。その甲斐があったのか、今では社交性が43と良い感じに増えている。

 デイリーも励んで勉強をして学力を上げる。小学校低学年の勉強は終わったので、高学年の勉強に移行している。幼稚園ではデイリーの友達と仲良くしようとお礼を言おうを実行しているので、人間関係は良好だと思う。

 「燈由ひよりちゃんは習い事とかしたくない?」

 母の言葉に

 「じゃあ、英会話を習いたいなぁ。きっと将来役に立つと思うから!」

英会話を習いたいと申し出た。

 「英会話かぁ、燈由ひよりちゃんはピアノとかバレエとか興味ないの?」

 お姫様っぽいのが好きな母の提案に

 「それも面白そうだけど、やっぱり将来を見越して英会話が良いなぁ。プロになれるなら習いたいけど、プロは難しいと思うし…」

私が難色を示す。

 「燈由ひよりちゃんって現実的ねぇ。じゃあ、ピアノと英会話を習うのならどう?」

 どうしてもピアノを習わしたい母のようだ。

 「別に良いよ。その代わり英会話に通わせてね。」

 絶対に英会話に通いたいと言えば、母はOKを出してくれた。

 私は夜になってからデイリーの受け取りを済ませ、スキル生成で絶対音感を取得した。

 

 

 「初めまして、秋月あきつき燈由ひよりと申します。宜しくお願いします。」

 「初めまして、私の名前は卯月きさらぎ愛華あいかと言います。燈由ひよりちゃんのピアノの先生をします。今日から宜しくね。」

 20代後半の美人なお姉さんに私はニヤニヤしてしまいそうになる。

 「愛華あいか先生、宜しくお願いします!」

 元気良く、愛想の良い良い子を演じる。

 「じゃあ、先ずはお手玉で先生と遊ぼうか。」

 直ぐにピアノとはいかないようだ。

 「はーい」

 私は元気に挨拶をし、愛華あいか先生が用意したお手玉で一緒に遊んだ。

 30分ほど時間が過ぎた頃に

 「じゃあ、次は音楽に合わせて動こうね。」

次のステップに移った。愛華あいか先生がピアノを弾き、リズムに合わせて私は足踏みしたり跳ねたりして体を動かした。

 こちらも30分ほどしたら

 「次はお待ちかねの鍵盤に触ってみよう!燈由ひよりちゃん、こっちに来て。」

とうとう鍵盤に触らせてくれるようだ。

 足ペダルを調整して貰って私は鍵盤と向き合う。

 「これがド、次がレ、こっちがミ………」

 一つひとつ鍵盤を一緒に鳴らしていく。愛華あいか先生はきらきら星を一緒に奏でてくれた。

 たどたどしい演奏に悔しいなと思いつつも指が思うように動かない。

 いったん休憩になった時にスキル生成で模倣を取得し、スキルレベルを4まで上げた。

 「じゃあ、今日の最後の演奏をしようか。」

 隣で愛華あいか先生の指の動きを確認する。きらきら星を弾く愛華あいか先生の指を模倣して私も弾き始めた。

 ー♪ーー♪ーー♪

 まだまだ拙いが初日であれば良い出来じゃないだろうか?

 「素晴らしいわ、燈由ひよりちゃん。お母様、燈由ひよりちゃんは本当にピアノが初めてなんですか?」

 愛華あいか先生の問いに

 「えぇ、燈由ひよりは今日がピアノが初めてです。」

母は今日が初めてだと伝えた。

 「彼女は天才ですよ!燈由ひよりちゃん、どうやってきらきら星が弾けたのかな?」

 「先生の手の動きをそのまま真似したの。駄目だった?」

 スキル模倣とは言えなかったけどね!私の言葉にビックリした愛華あいか先生が

 「私の指の動きを覚えるなんて…きっと天才なんだわ。ピアノコンクールには早いけど…発表会なら……」

ぶつぶつと呟いている。

 「愛華あいか先生?」

 こてんと愛くるしく見えるように愛華あいか先生を見ると彼女は咳払いをして

 「次のレッスンにはバッハのメヌエット・ト長調をしましょう。楽譜の読み方も一緒に教えるから安心してね。とっても素敵な曲よ。」

ニコニコと練習曲を決めてきた。

 「はい!楽しみにしてます!愛華あいか先生、ありがとうございました。」

 私達はピアノ教室を後にした。

 母は上機嫌に

 「燈由ひよりの為にピアノを購入しないと駄目ねぇ。」

と言い出した。

 「お母さん、ピアノは高いよ。」

 「でも練習するにはピアノは必要よ?」

 「なら中古で安い電子ピアノにしよーよ。」

 それならピアノを辞める時に惜しくはないからね!

 「ん~でもぉ…」

 ピアニストになる気が無い私としては本格的なピアノは荷物でしかない。

 「中古の安い電子ピアノじゃないならピアノ教室に通わないからね!」

 脅しとも取れる私の発言に母は

 「分かったわよぅ。燈由ひよりちゃんは倹約家なのね。でも中古だと壊れた時、修理の対応してくれないから新品じゃないと駄目よ。それは分かってね?」

半分承諾、半分は納得出来る条件を提示したので

 「分かった。」

頷いた。

 寝る前にステータスを確認すると

 ---------STATUS---------

 名前:秋月あきつき燈由ひより

 種族:人間

 レベル:18

 年齢:3歳

 体力:27

 魔力:44

 筋力:12

 防御:9

 知能:260

 速度:15

 運 :82

 ■職業:幼稚園児

 ■装備:綿のパジャマ

 ■スキル:完全記憶∞・空間魔法アイテムボックス∞・成長促進∞・経験値倍化∞・スキル生成∞・魅了3・絶対音感∞・模倣4

 ■ギフト:なし

 ■称 号:なし

 ■加護:なし

 ■ボーナスポイント:99300pt

ミニステータス

 L魅力62・芸術20・運動・27・学力141・社交性43

 芸術が少しだけ上がっていた。ピアノで芸術が上がるみたいだ。

 こうして私はピアノ教室と英会話教室に通うのであった。

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