第37話

あたしみたいな頭空っぽな人間が

明るく快活な人間の塊

クラスメイトたちに溶け込めるわけない

例えば接待ゴルフの話してるとこに

子供が入っちゃったりしたら

そりゃ話題合わせるとか

まともに会話できなくなるシね

雰囲気も壊れるシね


そんな感じで『輪』に違和感もたらして

雰囲気を壊しちゃったりしたら

『あいつ、おかしくね?』

『何か違うくない?』

とかなんとか

『輪』の共通認識とのズレが浮き彫りになって

それがはっきりしちゃうと

はぶかれたり

イジメに発展したりさ


中身のないあたしは

クラスの皆さんとのランクが違うこと

理解してるのに

無理に『輪』に入ろうとすると

違和感巻き起こして

『はぶられかねない』

ってリアクションを招くより

最初からそんなことがおきないように


ひとりの時間が好きなタイプを

休み時間とか

読みたくもない本を開いて演じて

そうやってクラスの輪に馴染んで混ざりこめば

結果良くないの理解してるからこその自演癖

クラスの皆様があたしと関わらなくて済むように

あたしが自らふるまってるわけでね


そんなクラスの流れを

こっちから先に察しまくってます

昔っからそういうアンテナ張って繊細な気遣いしながら生きてるシね

女優になったつもりで演技して

日常を自演して

クラスの皆さんもそのことに気づき始めて

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る