第35話

先生達がそういうきっかけ作りに務める気がゼロなので

周りと触れ合う機会もゼロなわけで

自ら声かけるスキル皆無なあたしには

陰キャ★コミュ障のレッテル貼られちゃってからじゃ

もう遅いわけで


そんなコミュ障ライフを続けているうちに

クラスでのあたしの印象も固まっちゃって

『周りとは一線を引きたがる自信過剰、友人皆無を誤魔化すようにいつも一人で読書の演技、そんな面倒臭い陰キャに声かける義務なんてないない』

なんて存在理念が

クラスに蔓延するわ

そのレッテルが独り歩きしてる


あたしのアイデンティティと

クラスのみんなの

『あたしに対する印象』が

シンクロしたら

それこそ素を出せる

居心地抜群な空間になるに違いないのに

っていう空虚な空論が存在するわけないシね


実際には

あたしの挙動不審な挙動から

B面臭をかぎとって

見事にあたしの本性を見透かしてる

同級生らの場を察する能力

場をコントロールする一体感は

麻薬犬レベルに怖い怖い


それゆえに

そういう気配に気付かない大人や

先生や

片手間の善意で空いた時間だけ親身にしてくるNPOスタッフには

理解不能だろうし

だから相談なんて絶対しないシね

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