第10話

クラスメイトのルミカがよく言ってる

友だち登録数4桁いったって

そんなのゴキブリの繁殖並だよ

あたしなんて

ちゃんと名前把握できるの

天衣スズエちゃんその一人

誰かって?

その子の話はまた今度


あたしのスマホやPCは

パパが職場の忘年会で

ビンゴで当ててもらったものだとか

でもそれ多分嘘

色だってあたしの好きそうなピンクだし

どうせ買ってくれたんだよね

この小さい部屋にしか居場所のない

あたしのB面の要素を危惧して

例えこの機械の中でもいいからコミュニティ作れたらって


せめてネットの世界だけでもいいから

社会と交流してくれたら

なんて両親が思ってるのは

一目瞭然

それは有難く思えるし

おそらくママの思惑と知りつつ

手のひらで転がされてるふりして

ママ批判続けるあたし


そういうのって本末転倒ですよって

それあたしは自覚してるんですって

こういうのなんて言うんだろう

ああそうだ

『ニヒルさ』って呼んでみよう

それがあたしB面の精一杯な極地

『ニヒルさ』

その言葉について力説してみる


自立心は?

そんなに1人になりたいなら

親が嫌いなら

バイトして家出ればいいじゃん?

そう言うでしょ

あたしだってそうしたい

ひとりでお金貯めて

じぶんだけのお城に住みたい

そこではあたしが主人公

お姫様になれるんだ

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