第7話 キャンプ編 イエス・キリストと白熊 / Jesus Christus und der Polarbär

インターでは毎年恒例で何かしらの遠足が行われる。

そして五年生ほどからお泊まりも含まれていくのである。コロナのせいで六、七年生(中一)の遠足を私達は出来なかったが今年、八年生で遂に出来た一週間のキャンプの全貌を紹介して行きたいと思う。


今回のキャンプはバスで学校から三時間程の距離にあった。

目的地は予想以上に景色が良く、山に囲まれている大きめの山小屋が我々の宿だった。男子と女子は一階と二階に分けられ、一部屋に五人程の生徒が入った。私はJ君と一緒になれたので文句は別になかったが別室の生徒数人は愚痴を放っていた。初日はそれほど予定はなく、ただ待機してくれていた若めのキャンプコーチ達の紹介が行われた。男女合わせて八人いたが、私達担当のコーチはティーホムと行った。

彼は男だったが私達の最初の印象は、キリストだった。彼は面白い程キリストに似ており、我々はすぐに打ち解けた。キリストと言うともう彼の顔がどの様な感じか浮かんでくるはずである。


話して少しすると、ティーホムは私達にこのキャンプの恒例事項を教えてくれた。

この山小屋から歩いて十五分の所に比較的綺麗な湖があるが、もちろん山に囲まれているので朝などには薄い氷が張る程水は冷たくなるわけだ。深さは十メートルはあるだろうか。そしてこの恒例事項は毎朝この湖に飛び込むと言う物だった。

これがここの恒例事項、白熊クラブである。


ティーホムは最後に、毎日これを行った者しか白熊クラブの表彰は貰えない、と言い、会話を締めた。J君などは早速脱落したが、ティーホムは決して無理強いはさせないと言いどんどん脱落者は増えていった。

次の日の早朝、そこにはタオルとサンダルで水着姿の私と数人がいた。皆まだ目が半開きの者が多くかくいう私の髪もボサボサであった。

やっとティーホムが来たので皆ゆっくり歩き始めた。

この道の過酷さも知らずに。。。




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