第3話 冷蔵庫も洗濯機も掃除機もテレビも電話もなかった

他にも 炊飯器もトースターも もちろん電子レンジもパソコンもなかった

ベッドもないし 風呂のない家は普通だった

うちには風呂はあったけど 桶をデンと置いてそこに水を張り

ガスの直火で温めるスタイル 風呂椅子に乗っかって柵を越えるようにして

風呂に入ってたから 出る方が曲芸に近かった 

ガスの火を水から守る釜は 風呂の中にあって絶対触るなと言われてたわ

 

どうやって暮らしてたのか? どうやって暮らしてたんだろう?

記憶がないんですよ 時期的には幼稚園くらいだろかいな 

小学校に通っている間に続々と家電が家に出現して 

その初号機出現の感動は いちいち覚えているんだけど

     (いちいち書いてやろうと思ってる)

その前に母親がどうやって暮らしを回していたか全く思い出せない

見えてたけど 見てないってやつでしょうね

今時いやちょっと前かな 旦那が細君の家事する所を見えてるけど見てなくて

「一日 ゴロゴロしてる」と言って 大反撃くらってたのと構造は同じかも


何からいこう 洗濯機かな 

最初のはでかい直方体の胴体に ゴムのローラーの絞り機が付いてて

底には回転する羽があり水と洗濯物と洗剤を入れてスイッチを入れれば

その羽が回転して 洗濯物をかき回す(実感)

ずっと同じ方向に回るだけだから 大きなもの(シーツ等)はねじれにねじれる

それをほどいて ローラーに入る幅と厚さにたたんでローラーを手回しして絞る

石鹸水を捨てて水をはりなおして また回してゆすぐ ローラーにかける 

これを適宜回繰り返す

風呂の残り湯を使う時は 風呂場からバケツで何度も運ぶ


まあ 離れられるのは 羽が回ってる数分間でほぼ付きっきりだわね

2代目は ローラーを回すハンドルが外に飛び出ていたのが 使わない時は

洗濯機に添うようにたためるようになってたっけ 

他の家電でもそんな気がするけど メーカー内で試行錯誤するより 

売ってみて始めて不便に気が付く感じで 月単位で商品が良くなっていってたから

出たもの飛びついて買ったら 高くて扱いにくい物を掴むと言ってたなあ

これってきっと メーカーに女性がいなかったか いても女性の意見なんか

聞く耳持たなかった事の表れだと思う

羽が右回り左回りをスイッチするようになって 排水給水が自動になって

私が洗濯機買う頃は脱水機の付いた二層式かな 

これはよかった 洗濯と脱水が同時進行できるから洗濯物の多い時は

今の全自動より効率がいい とはいえ 現在のスイッチポンで終わる洗濯は

間違いなく 主婦に時間を返してくれてますよね


記憶にはないけれど うちにも昔は金ダライ(コントで落ちてくるヤツ)と

洗濯板があったから 全部二本の手で洗って絞っていたんでしょうね

全部かよっ! とただただ驚きですが

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