第2話 黄金週間

終わりましたね 2023年ゴールデンウイーク 今年は5連休でしたか

ゴールデンウイーク という言葉が和製英語で元々は黄金週間と呼ばれていて 

その言い出しっぺは映画業界というのは知る人ぞ知る話

「さあさあ 金(かね)が入って来るぞ」が本音という説も…


私の父は映画会社の広告宣伝部だったから 

黄金週間は毎日 封切館に出かけて劇場支配人から自社他社の客入りを確かめ

その後の宣伝戦略を練る は口実で 

支配人室にたむろってラジオで競馬を聞いてからの 皆で飲みか麻雀三昧

〝お仕事〟で家にいないんだから 私には特に思い出なんざぁありません 

まあ 映画業界の話は沢山あるので また改めて という事で


昭和の中期は週休一日 土曜は学校も会社もあったし 振替休日なんてないから 

よくて4日日曜の3~5日の三連休 今から思えばどこが大型連休?だけどね 

ちょっと嬉しかった

連休は基本 4月29日の天皇誕生日 5月1日のメーデー 3日の憲法記念日が

〝飛び石連休〟になるのが定番で この連休 じつは学生には関係ないんです


母の時代は天皇誕生日は 学校に登校して 君が代とか歌って御真影(天皇の写真)

を拝んで 紅白饅頭をもらって帰るから まるっと休みではない

もちろん 戦後生まれの私はまるっと休みでしたよ 

でも町には 戦前の習慣が色濃く残っていて 

公共機関はもちろんのこと 個人の家の門にも日の丸の旗が立てられ 

バスや電車 都電やタクシーの正面にも小さな日の丸がXの形に飾られてました

バスには正面にその小さな旗をさす筒がついてましたけど 今もあるんかな?


で なんで5月1日が休みかと言えば メーデーだからです

労働者の祭典のこの日を休みにする企業が多く 大きな広場や通りでは集会やデモが

それはそれは物凄い人を集めて行われていました 

戦後すぐは暮らし向きもひっ迫していて 祭典というよりはデモ

弱い立場の人間が皆で結束して経営者や世間に現状を訴え 賃金や待遇改善の要求を受け入れさせようという要素が強く

警備側や時には意見の違う団体同士がぶつかって〝血のメーデー〟なんて言葉もあったと聞きましたが 私が物が分かる頃には次第にお祭り要素が出てき始め

やがて家族連れで参加する穏やかな行事へと変貌します

終戦直後と比べて 急激に生活状態が向上したという事でしょうか

そういえば20代の頃アルバイトしてた地方局では メーデーの日は

お昼休みに 揃いの鉢巻をして社屋を一周するだけ まで形骸化してましたよ


といっても 学生は休みじゃなかったんですわ(労働者じゃないし)

でも先生はほとんどが日教組の集会に参加してて欠勤… 

だもんで校長とか教頭とか 右派系長老教師が手分けして授業にやってくる訳で

そんなん 一日だけ違和感バリバリの授業されても… 休もうよ~  でしたね

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