第1章 無人島で異世界生活?

第3話 異世界初日

 目が覚めたのは知らない部屋の中だった。ついでに酔いも覚めていた。

 だからこそ思い出す事ができた。

 ・・・・・・そういや、あいつ美少女って言ってなかったっけ!

 もしかして、……やられた!


「あ〜!やられた!やっぱ、酒で酔っ払っている時は駄目だなぁ。……あれ、なんだか声が若い?」


 愚痴を呟いた際に声がいつもよりも若い様な気がした。慌てて全身を見ると服装が中世の旅人のような上下に革鎧と腰に剣、そしてローブを着た衣装になっていた。

 腕なども肌の張りが良くなって瑞々みずみずしい感じがする。体も軽く感じるし、活力がみなぎっている。

 部屋にあった鏡を見ると15歳ぐらいまで若返っていた。


「うそだろ!酒飲めなくなるのかな?」


 周りを見るととても大きな背嚢はいのうがあったので、中を見てみると今着ている様な服が上下で2セットと水袋やなたやその他の道具類ほかが入っていた。さらに異世界初心者のしおりというふざけた冊子が見つかった。

 ふざけた冊子だが見ない手はない。というか、少し不安になったので栞を見て知る事で不安を紛らわせようとした。


 そこで知った事は、自分の体は改造されて世界一の存在と言っても良いが脳の常識セーフティが最初は働いているので非常識な力を練習も無しに使えたりしないという事。

 武器や武道、魔法なども知識はあるが万全に使いこなそうと思うと最初は練習して力加減や魔力の練り具合などを覚えていく必要があるという事だ。

 ただ、これらは万能の才があるので訓練すれば1~3日で使いこなせるようになるだろうとの事だった。


 異能はアクティブとパッシブがありパッシブは何をしなくても常時発動しており、アクティブはその異能を使いたいと思う事で使用できるがコツがいるので出来なければ訓練して出来るようになれとの事だった。


 目覚めた家は特別製で家の地下にある部屋の一番大きな部屋で訓練に必要な器具が置いてあり、各種訓練をしても部屋を壊さずにすんだりするので各種の訓練にはお勧めとの書いてあった。


 硬貨別に無限の硬貨をと言う希望には小袋かポケット等に欲しい硬貨と数を毎回思い浮かべればその分手に入るとの事だった。

 硬貨の価値は、各国共に共通の鉄、銅、銀、金、白金の含有率の標準基準が決められており鉄貨=日本円で1円を各国の基本として以下の通りだった。

100鉄貨=1銅貨(100円)

50銅貨=1半銀貨(5千円)

100銅貨=2半銅貨=1銀貨(1万円)

50銀貨=1半金貨(50万円)

100銀貨=2半銀貨=1金貨(100万円)

100金貨=1大金貨(1億円)

10大金貨=1白金貨(10億円)


 この家の所持者は俺になっていて自動清掃・修復機能付きと書かれていた。

 また、ここは島で1周160kmある。島には人払いの結界が張られていると書かれていた。


 一騎当万等はホムンクルスで可能だからホムンクルスの元(何故か全員女性型らしい)をインベントリに入れておくので使用して欲しいのと一人(一粒?)生まれるのに大地にひとつ埋めてから1日かかるとの事。

 2人以上を1日で生ませたい場合はホムンクルスの元を1m以上離して一つずつ大地に埋める事。


 栞の最後の方にこの場所は無人島の中で外周が1周200kmで世界中から比較的魔物や人に危険な獣が少ない場所を選んだと書かれていたが、魔物や猛獣が皆無じゃないので注意する事だそうだ。

 栞で重要な所はそのぐらいだった。


 栞を読み終わった俺は家の中を探索する事にした。

 探索した結果はこれは家というより屋敷と呼んだ方が良いなという感想が出た。

 屋敷は3階建てで照明は魔導具であり、部屋は1階に20部屋程あり、2~3階は各階に50部屋程あった。家具やベットにトイレや風呂・洗面所や時計等も1部屋ずつに付いてある他に各階に共通の男女別になったトイレが2カ所あった。

 また、1階は部屋の他にキッチンや食堂・リビング・応接室・図書室・大きな風呂場・解体部屋・キッチン以外にも冷蔵・冷凍の部屋があり、鍛冶部屋・錬金部屋・その他何かの作業部屋が幾つかあった。

 各部屋に付いているトイレ・風呂・洗面台・照明・冷暖房などは魔導具のようで各装置の近くの壁から突き出ている半球の玉に手を当てる事で使用できるようだった。

 何より嬉しかったのはトイレが魔導具で日本のトイレとあまり変わらない事やトイレットペーパーが予備も含めてあった事だった!


 訓練場があるという地下は酒倉・貯蔵庫であろう部屋・その他物置部屋が数部屋に一番大きな訓練場所であろう器具が置いてある部屋があった。

 これで一応、全ての部屋を見回った事になると思う。

 ただ、外にある別の施設は未だ視ていない。見える範囲では厩舎と思われる施設はある様だが?


 見回った中で一番気になった事は“水はあっても食料がない”という事だった!食料は多分、インベントリの中に入っているのだと思うが、異能をどうやって使用するのかがよく分からない。栞には練習しろとしか書いてないので当てにならない。付加された知識には異能の定着に時間がかかる場合がある事が可能性としてあると記録されていたが、訓練で多少、定着が早まるとの事だ。

 仕方が無いので訓練所で異能・・・・・・特にインベントリを出す練習をする事にした。


「インベントリ出ろ!インベントリ出ろ!インベントリ出ろ!・・・・・・駄目だぁ~。あれから3時間やっているけど一向に成果が出ない~。もう疲れたよ。ああ、お腹も減ったしマク○ナル○のビック○ックセットが食べたいなぁ」


 言ったら急に俺の目の前にビック○セットが現れた!

 何でと思ったが、腹には勝てずに美味しく頂いた。


 ビック○ックセットを食べてから色々と何故現れたのかを検証したら今の段階でインベントリ出ろ!では何の効果も無く、何々が欲しいと願う事でそれが出てくる事やおおまかに食料が欲しいと願ったら食料の候補が頭の中にリストアップされる事などが分かった。

 一つ分かったら次々に分かっていくもので、し仕舞しまう時は何々を仕舞いたいと思えばインベントリの中に仕舞えインベントリの中のアイテムの時間を調整したいと思えばそう願えば良いし中のリストが見たければそう考えれば良い事に気がついた。この時に背嚢の道具類をインベントリに入れたら背嚢が凄く軽くなった!

 他の異能も似たような感じで使える事が分かった。


 魔法や武術に関しては知識があったのとセーフティが効いているので魔法の爆発や武術で物を行き成り壊すといった事もなく、訓練する事で魔法の威力や武術で体をついてこさせる事等すぐに出来るようになった。練習すればするほど腕が上がっていくのが面白かった。

 なお、真っ先に生活魔法を覚えた。クリーンが欲しかったのが一番の理由です。


 こうして異世界1日目は屋敷から出る事無く、屋敷の探索と訓練などに当てられて過ぎていった。

 なお、晩飯に自衛隊のレーションと風呂を堪能たんのうした。

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