第5話 ターニングポイント

そうそう、ここで告白したね。家の近くだからよーく覚えてるぞ。じゃ、ここで手紙渡さずスルーしてやり過ごすかなー。


なんだ?目眩がする?貧血かな?低血圧だったから?


【何してるんですか!あれほど警告したでしょ!】


【ユキ、何怒ってんの、可愛いけどね、それも】


【時間軸調整課ユキです。アラートレベル3発動します。至急対応お願いします!】


【ユキ、誰と話してんの?】


【とりあえず私につかまって、レベル3なので】


【緊張しますが、手を握ります】


その瞬間全てが消えた。暗闇に閉ざされた世界。

【ユキ、いるのか?どこ?】

情けないことに不安でいっぱいになった。

【ユキ、返事してくれ!】

【動かないで!すぐにそちらに行きます】


暫くして手に温もりが、ユキが手を握ってくれた。

情けない、俺のほうが遥かに年上なのに、精神的にだけど。


【レベル3なので崩壊までしていません。かろうじて繋がっています。ただし、戻る先は解りません、いいですか?】


レベル3ってよく解らないけど、とにかく任せることにした。大変なことになったくらいは解った。

軽くうなづいた瞬間、痛っ!と思ったら寝ていた。


【目開いたよ、先生!】

どこだ、ここは?公園?


【この子麻酔したの?】

【していません】

【じゃ、この状態で検査しちゃおうか】


検査ってなんだ?消毒の匂い、ユキは?


【脳波に異常ありません、軽い脳震盪でしょう】


脳波?何か覚えてるぞ。脳の検査なんて一回だけだ。経験してきたのは。


そうだ!幼稚園での遊具でぶつかって脳震盪起こしたな。あれは馬鹿なことしたなー、俺が全て悪い。


ところで、ユキは?どうしたらいいんだ?


レベル3ってなんだったんだ。


大丈夫だよな、ユキ。ターニングポイントのこと詳しく聞きたい。こちらから連絡出来ないって不便だなー。困ったよ。


何だか眠い、脳震盪の影響かな?


とりあえず休もう。

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