たぶんうまくいくから…


さっきの男の人は、見た目は日本人だが、外国の方で、パブロと言う名前らしい。

約3ヶ月前くらいから、谷川家で、一緒に住んでいると、えりは言っていた。


「お兄ちゃーん!」

急に、春乃の大きな声が聞こえた。

春乃は泣きながらリビングに来た。

「どうした?」

湊がびっくりして聞いた。

「春乃ちゃん、孝司に嫌な事された…?」

「…もう帰ってって言われた…」

「え?!…ごめんね!後で孝司怒っておくから」

「えーん」

「ごめんね、春乃ちゃん…。小林君も。ごめん…」

「ううん。うちも、なんかやったのかもしれないし…」

湊は、春乃の背中をさすった。

「春乃、わかったよ…。帰ろう。こっちは、面白くなりそうだったけど…」

(…ん?面白く?)

「今日は帰るね。ごめんね、急に誘っておいて…」

「ううん、こっちこそごめん…」

「また、遊ぼ」

湊は、しょうがないと、いうような顔で笑った。


えりは、湊を玄関までおくった。

湊が玄関を、出ようとした時、パブロが偶然に、部屋から出てきて、二人に気がついた。

(おっ。谷川の彼氏さん…予定の人…)

パブロは玄関にいる湊をみて、一瞬硬直した。


湊は、玄関まで送りに来てくれてたえりに、「谷川…。ちょっとごめんね…」

そういうと、えりの手を握った。

そして、パブロの方をチラッとみた。

パブロの顔が、怒りに満ちていた。

(荒治療だけど…)

「谷川、たぶんうまくから…」

「え?」

その、コソコソ話がまたパブロを怒らせた。

パブロがズンズンえりの方にやってくる。

湊があおるように、ニコッと笑いかけた。

「どうもお邪魔しまし…」

た、を言い終わるまえに、絵理の手を奪い取って、部屋の奥に引っ張って行った。

「ちょっとパブロ?!」

「じゃ、谷川お邪魔しました!頑張ってねー!!」

「小林君?」

えりとパブロは、奥の部屋に消えた。


(これで、くっつくでしょ。だいぶ強引だったけど…。いい仕事したなぁ、俺)

湊はホクホクした気持ちで家に帰った。

(谷川家、色々、面白かったなぁ)

泣いている、春乃を抱っこしながら、湊は浸っていた。

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