5人目 『爆葬 -Detoxification-』

 ・作品:爆葬 -Detoxification-

 https://kakuyomu.jp/works/16817330657370310855

 ・作者:志々見 九愛ここあ


 ご参加ありがとうございます。

 私は直接交流のない方なんですけど、和田島さんと仲良くされてる方でお名前は存じてあげております。

 この作品はお猫さまになった和田島さんと紳士なアンドロイドのSF会話劇。私にとってはかなり予想外で、いろいろと考えさせられるお話でした。

 まず、私の考える和田島さんについて少し書かせてもらいます。今まで私の読んだ和田島さん作品の主人公たちはぐるぐると思考をしている印象がありました。それは「悶々と」というには明るくコミカルでありつつも、どこか冷静で自虐的。王道とも邪道とも異なる独特の語り口が魅力的で、和田島さんもそういう思考をされる方だという気がしていました。

 この作品の和田島さんはマイペースで飄々としたお猫さま。厳密には、お猫さまの身体に意識を移植した元人間です。語尾は然ることながら、「朕」という一人称も『お猫さま』らしさに溢れています。つらつらと語り進めていかれるのですが、その迷いの無さが私の中の和田島さんのイメージと違っていてびっくりしました。

 しかも、永久に生きる選択肢を選ばず、ラストには自身の元の身体を爆散させる。まだ意識あるのに?!ホントに和田島さんなの?と動揺しました。

 でも、ふと気づきました。私は和田島さんのことを何も知りません。

 ネットだけの繋がりですし、文字でのやりとりしかしてません。つまり、端にいえば、私の知る和田島さんがすべて虚構の可能性もあるわけです。また、中の人が複数人いる可能性、『和田島イサキ』という創作集団である可能性もあります。気づかぬ間にアカウントを乗っ取られて、別人に成り代わられている可能性もありますし、この作品のようにネコだったということや、今どきならAIだったということもあり得ます。もちろん、ちゃんとひとりの人間として存在されてる可能性もあるわけですし、私はそう思っているのですけど。

 和田島さんがどういう存在で、どういう存在ならば和田島さんなのか。それを理解した上で、和田島さんのことをどう考えるのか。自主企画を開くほど、和田島さんを好きだというならば、心に留め置かねばならない問題だと思います。

 そういうことについて、問いかけてくる作品のように感じました。あらためまして、ご参加ありがとうございました。

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