人の姿をした花の、悲しいお話

影神

ウエサク



ある所に。


"不思議な花"がありました。



その花は、沢山愛情を注がれ。


やがて、花は人の姿をする様になりました。



人の姿をした花は、皆と同じ様に人を愛し。


人の姿をした花もまた、皆と同じ様に。


人に、愛されました。



ある日に。沢山愛された花が。


人の姿をしました。



その人の姿をした花は、自分の好きな人と仲良くなり。


互いを求め合って、愛でたく。結婚をし。


幸せな、生活を送っていました。



しかし。時が経つに連れて。


2人の間には、"溝"が出来てしまいました。



人の姿をした花は。


少しずつ、元気を失くして生きます。



その姿を見て心配になった花を育てたものは、


人の姿をした花に、こう言いました。


「どうしたんだい?



元気が。無いじゃないか、、」 


人の姿をした花は。


花を育てたものに、こう言います。


「あの人の中には、私はもう居ないの。


私の事を。愛してなんか。いないの、、」



花は、相手の気持ちが分かります。


ですから、知りたく無くても。


相手の考えや気持ちが、伝わってしまうのです。



人の姿をした花は泣き崩れます。


そのいたたまれない姿に。


花を育てたものは悲しくもなって。


結婚したを相手に、話を聞きに行きました。



「どうして彼女を愛せなくなってしまったんだ??


彼女は今でも、あんなにも。愛してるのに。」


すると。結婚をした相手は、こう言いました。


「彼女は、もう。居ないんだ!


彼女は、私が!


私が。食べてしまったんだ!。」


花を育てたものは、急いで彼女の元に戻りました。



彼女は今や『魂』となり。


あの場所に、現れていたのでした。



しかし戻った時には、既に。


そこに。彼女の姿は、ありませんでした。



床を見ると、彼女の身体はバラバラになっていました。



とても淋しそうに。小さな欠片として。


ただ、散らばっていました。



「まだ、!


まだ間に合う!!」


花を育てたものは、花瓶に彼女の欠片達を入れ。


綺麗な水を注ぎました。



「どうか。また、姿を現してくれ!。


大事な、大事な。



愛おしい花よ、、





ですが。花瓶から花が。彼女が。


再び出てくる事は、ありませんでした。



それもそのはず。


彼女にとって大切な。



『結婚指輪』



が、その中には無かったのです。



人の姿をした花は。


相手の気持ちを悟り。


自ら、身を委ねたのです。



花を育てたものは、とても哀しみました。



人の姿をした花が好きになった、相手。


結婚をした、相手は。



虫が。人の姿になったものだった様です。



愛おし過ぎるから故に。


結婚をした相手は、自ら。



彼女を、傷付けてしまいました。



彼女もまた。自ら好きになった人を愛し。


結婚をした人もまた。



彼女が愛おしくらいに。



食べちゃいたいくらいに。



必要だったのです、、


















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人の姿をした花の、悲しいお話 影神 @kagegami

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