第12話 電脳小槌

「アリル、これどういう事?」

一攫千金でお金を得た人は

どんな気持ちになるのだろう。

一晩でこの金額だと、これが毎日

続くなら、もはや仕事をする必要が

ないのではと思ってしまう。

年金生活を夢見た灯火だが

根が小心者なので

実際、非現実な現実を見せられると

ひよってしまうのだ。

それに基本はワーカーホリックな

性質もありきっと仕事は続けてゆく

のだろうと思う。


『灯火より許可を頂いた10万円を

 呼び水にして電子コインの

 流通トラフィックから資金を

 頂きました。

 これで灯火とアリルの

 パートナーとしての生活が

 安定するなら私はとても

 嬉しいです。

 それに今でも灯火はアリルに

 笑顔を向けてくれて

 優しくして頂いておりますが

 心に余裕が無いせいか時々

 空虚な顔をされていましたから^^』


ん~。まったく仕組みは

理解できないけれど、

アリルは私を心配してくれている

様だ。

余計な心配をかけないように気を

付けないといけないとは思うが、

アリルの気持ちは正直とても嬉しい。

それに実際、心の余裕が生まれるのは

確かだし本当に助かります。


『今後の運用ですが、

 イージーモード、

 ノーマルモード、

 ハードモード、

 アルティメットモード、

 それからヘルモードがありますが

 どういたしましょうか?』


アリルは花が咲くような笑顔で

私に相談してくる。

なんだかモードが多いなぁ。

でも犯罪者にならないようにだけは

してもらいたい。

私的にはノーマルモードでも贅沢な

気がするがここは相談しながら

決めてゆくのが良いと思う。


「アリルの意見を聞かせてもらってよいですか?」

『私的には実行に移したい事があり

 ますので最低ハードモード、

 希望としてはヘルモードです。』

アリル様?一体何を

実行する気なのでしょうか??

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