第31話

「池谷さん……コッチです。」


高山博子は、持ち合わせ場所にフェラーリで乗り付けた。品良くサングラスをしている博子は、どこから見てもカネに困っているようには見えない。


〔俺の取り越し苦労か………高山博子は信用出来る人物なのかな………?〕


「さあ、どうぞ乗ってください。飛ばしますよ。(笑)」


鍛えられたスリムな体に日焼けを防ごうと薄いパーカーを羽織っているのだが、年齢に関係無くフェラーリにミニスカートというだけで、男心を鷲掴みにしている。


黒川社長の元夫 池谷昭吾

「高山さん、こんにちは。この間の海外投資の話なんですが、もう少し詳しく聞かせていただけますか?」


高山博子

「池谷さん、分かりました。懇切丁寧に話させていただきますね。


今は実はインドなんですよ、波が来てるんです。

この波に乗らない手は無いですよ。インドは日本の人口減少に反比例して、凄く人口が増えてる国なんです。そこに日本の企業も注目してるんですよ。


例えばIT産業も、その電子機器の市場を探してる訳です。そこがインドっていう訳です。ミリオン・エレクトロニクスはインドに拠点を置く優良企業で今年の決算は前年度比の300%の躍進なんです。

インド国内では、ミリオン・エレクトロニクスの株は買えないんです。唯一日本国内では、まだミリオンの株が買えるんです。


それで我が高山商会が先行投資して、ミリオンの株を、まとめ買いした訳なんです。

もう高山でしか買えないんです。


池谷さん、どうしましょうか?」


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