第18話

いよいよ葉山のレジャーランドの計画が決まって、今日は起工式となった。


プロデューサーの黒川社長も呼ばれたのだが、そのファッションはいつもと変わらずで、黒の革ジャン、ミニスカ、ニーハイブーツでの奇抜な出で立ちだ。


市会県会議員達が黒川をイブカシゲに見るなか、神奈川県知事の丸山は、黒川社長に親しく声を掛けた。


「タエちゃん、コッチに来なよ。ココ、ココに座って……ほら話しようよ。」


これには議員達も意外に思った事だろう。

〔黒川社長って県知事とどんな関係なんだろ?〕って。


同じ小学校の同級生で名士も悪党も輩出した学年はきっと珍しいだろう。

その証拠に、来賓席にはサングラスに黒のスーツ、タダ者ではないオーラを発している男達が、やはり黒川社長に笑顔を向けている。


〔やはり黒川という……この女社長はヤバい人なのか?〕と周りの一般人に思わせている。


その時である……若い一人の男が手に何か持って黒川社長に近づいた。

とっさに黒川社長は男を組み伏せる!

次の瞬間に大きな音と共に何かが爆発する音がした。

どうやらケガ人は無いようだ。


そこで黒川社長は啖呵を切る!

「葉山のレジャーランドは、地方再生、みんなの夢が詰まっているんだ!私達は決して暴力には屈しない!」


その様子は全国ニュースに流れる。

こうして黒川社長は一躍時の人となった。

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