第1話

社員の田代

「社長、この企画書のチェックお願いします。」


黒川社長

「ああ、分かった分かった……それと、かいつまんで説明も頼むわ。」


田代

「はい、葉山に構想中のレジャーランド、『タイムズスクエア・ハロンドポール』なんですが、地域住民の反対に逢って、今にも計画が頓挫しそうなんですね。

それで、地域説明会を開いたらどうかと思うんです。そこで、社長の口から地域の名士、住民の方々へ丁寧な説明をお願い出来ないでしょうか?」


黒川社長

「ふうん、そうなんだ……地域説明会で丁寧に説明したら良いんやな?

分かった、分かった。大丈夫や、その手の説明は得意やからな。田代君、君は大船に乗った積もりで居てくれたまえ!ハッハッハ……。

そやけど、地域説明会では、おそらく反対派から金を貰っているヤツが強行な姿勢で反対してくるハズやからな。

準備と手回しは万全にしとかんとな。

勝敗は段取りの時に既に決まっとるっちゅう訳や。

さあ、田代君、今から反対派の所へ挨拶に行くで!」


田代

「あ……はい、分かりました。それで、社長は、その格好で行くんですよね……?」


黒川社長

「ああ、そうやけど……何か変かな? この革ジャンにハイブーツは……?」


田代

「いえ……素敵なファッションだと思います。」


黒川社長

「せやろ! 私も、このファッションだけは譲れんのよ。ハッハッハ。 ほな、行くで!」

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