隠居生活をしていた冒険者は片田舎を追放されて子供達と無双を始めます

桂崇

第1話 序章

レセルドリア王国の山奥の森に囲まれた小さい村に数人の子供達を育てている男がいる

母親も父親もいない子供を引取り剣や魔法を教え、次々と冒険者になり旅田っている


今、4人の子供達が村から旅立つ準備をしている

「御父様、冒険者として名を上げたら、迎えに来ます。今まで育ててくれてありがとうございます」

革の鎧に剣を持つ少女、キリーアが頭を下げながら言う

「キリーア、名をあげるよりも確実に実力を付けるように、剣の腕は有っても心構えが無いのだから」

「御父様、未熟者だと言うのは解ってます。兄弟で協力しろだろ?」

革の鎧を着た槍を持っている少年が笑顔で言う

「盾役の俺が全部の防御して見せる」

大きな盾を背中に背負っている少年が笑顔で言い

「ラドルスは、突っ走るし、ケントは鈍足なのだから威張らないでよ」

フード付きのローブを着ている少女が呆れた見ている

「魔法使いは、冷静に全体を把握するように、前衛の危機になった時、頼れるのはミーナの魔法だから」

「はい! 御父様、突っ走り過ぎたら、後ろから魔法で一緒に吹き飛ばします」

ミーナが笑いながら言う

「俺に魔法を当てるなよ!! ミーナ」

ラドルスが慌てて言う

「ラドルスが突っ走り過ぎると当たるよ、ミーナ近付く魔物は全部切り捨てるからね」

キリーアが笑いながら言う

「ミーナの守りは任せておけ」

ケントが笑いながら言う

「緊張も解けたようだな、無理せず生き延びる事が親孝行と思うように! それと何か疲れたら帰ってくるように、それと…兄弟仲良く、時には頼る事を忘れないように」

「御父様!! 行ってきます! セリーナ御父様を頼んだよ」

4人が笑顔で言うと、男の後ろの少女を見ている

「御父様の世話は任せて下さい」

セリーナが笑顔で言うと、4人が歩いていき、姿が見えなくなるまで見送っている


「御父様、家に帰りましょう」

セリーナが笑顔で男の顔を見ている

「セリーナ、あと2年成人するまでは、この村で頑張るしか無いだろう」

男が呟き、家に歩いていく


村外れの家の前に数人の村人が待っている

「子供達を旅立たせたのか? 余計な事をしなければ良い事を!! 今から呼び戻せ」

村長の息子が睨みながら怒鳴ると、外の村人も口々に罵声を浴びせている

「子供達が旅立つのは当たり前です。元からその約束で育てていたのだから」

「口答えするな!! 村の発展に人は必要だろう!! お前の個人的な意見等必要ない!」

村長の息子が怒鳴り、村人達と帰っていく


数ヵ月が過ぎるある日、村長が亡くなり、葬儀が終わった夜

「御父様、これからどうしますか?」

セリーナが不安そうに見ている

「村長が亡くなったから、次期村長があの男だしな…時間の問題だろう…セリーナ、どうしたい? 冒険者になるか? どこかの町か村でゆっくり生活したいか? セリーナ1人ぐらいなら、まだまだ養えるぞ」

「御父様が一緒なら何でも大丈夫です。御兄様達に連絡すれば、協力してくれます」

「迷惑は掛けたくないな…それぞれの人生を謳歌出来ないだろ? 冒険者なら迷宮で栄誉や名声を得たり、天災級の魔物を倒して称えられる事も出来るだろうから、ヒーラの俺が近くにいるのは、良くないだろう」

「御父様がヒーラなんて嘘です! 剣も攻撃魔法も補助魔法もみんなに教えていたし、ポーション作りも…魔物も毎日狩っています。弱いなんて信じられません」

セリーナが必死に力説をしている

「旅の支度と手紙だけは書いておくかな? 村に戻ってみんなが暴れたら終わりだからな」

男が考えながら言うと、セリーナが頷いている


セリーナが寝付くと、男はベットの下の箱を出している


再び旅を…セリーナだけは守るしか無いが…全てを失った俺で守れるのか? セリーナを…あの日、路地裏で捨てられていたセリーナを鑑定したから悪いのか? 良い仲間が出来るまで、育てるしか無いが…余り目立つと、悪用したい者達が寄ってくる…


男は鞄に価値の有るものを仕舞い始めて、剣と鎧を手入れを始めている



この男の名はアーレル、隣国のフォルセリア王国で最強クラン天空の翼を作った、始まりの8人の1人であり、クランを去った後、名を変える前の名は孤高の戦神アレス

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