第8話 僕たちの戦いはまだこれからだ!
「なんだ、アレは夢だったのか。
どうも話がおかしいと思ってたんだよね。
勇者とか魔法のかぎ針とかありえないでしょ」
「魔法の、ではなく聖なるかぎ針である。
それに夢だなどとのんきに考えてもらっては困るぞ?」
「えっ!? 部屋に誰かいるの?」
僕が部屋の中を見回すと、机の上のワッペンがぺらぺらのくせに自立していた…… このワッペンは大臣だったな。ということはやっぱり夢じゃなかったのか。
「これからこちらの世界ではワシが面倒を見てやろう。
敵はいつ現れるかわからんからな」
「敵って? あの黒い影のこと?
さっき倒して来たじゃないか」
「実はお主が気を失った後、首領を名乗る別の影があらわれたのだ。
そしてすべての世界を支配すると宣言し、また消えて行った。
これからもあのネズミたちのような敵を送り込むと言い残してな」
「大変じゃないか、それならすぐに戻らないと!」
慌てておきあがった僕は、身体に力が入らずへなへなと座り込んでしまった。いったいどうしてしまったんだろう。
「慌てるでない。
お主の体は聖なる戦士を産み出す時に大きく消耗するのだ。
今はゆっくりと体を休めるがいい。
戦いのときはそう遠くないうちにやってくるだろう」
僕は大臣の言うことにしっかりと頷き、次の戦いへ供え気を引きしめるのだった。
【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!? 釈 余白 @syakunarou
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