第24話 なんか腹立つな…

看護学校の卒業式は白衣を着る。

来賓も全員医者か看護師なので白衣だらけ。

50名ちょっといる学生はバラバラの道にすすむ。

香川に行くのはうち1人。

3月9日を手話付きで合唱して卒業証書貰って。

あっという間にすぎた3年間だった。


ここから本格的に香川に向けて始動開始。

たくやの休みに合わせて香川に行って物件探し。

店でだいたい候補をあげて、次のたくやの休みに内覧が決まった。

家具はたくやの部屋のをそのまま使う事にしたんやけど、基本1人仕様のものは買い替えしないとダメでそこらへんも見に行って部屋が決まってないから仮押さえみたいな感じに。

何より大変だったのはたくやの部屋の引っ越し準備。

「何で何も手付かずなんよ!!」


「だって何がいるかわかんないから、一緒にしよ?」

ってあんたの荷物だろ?

クローゼット開けて絶望する。

ぐちゃぐちゃに詰め込まれてますけど!?


ゴミ、いる、ゴミ、いるって感じに仕分け。

…女物のキャミソール…?

「たくやさん?これ…」

隣で仕分けしてるたくやに持ってみせる。


「……ゴミ…」

そろーっとうちから取ってゴミに仕分ける。


「ゴミでいいん?これ着てた人、捨てたらこの部屋来た時に困ると思うけど?」


「ごめんなさい。もういらないです。

…ほんまにごめんなさい」


「バレんようにしなよ!バレるならすんなよ!

ほんまに下手くそすぎるやろ。

マジ、いい加減にしよろ?

たくやのアホ!!!」

あー、スッキリした。

でもこの様子だと別れてるっぽいな。


「…で?言う事は?」


「ほんまにすみませんでした。

絶対もうしません。

……

…休憩する?プリンでも買ってこようか?」


「…いりません」

ご機嫌取りにまたプリンかよ。


その後も浮気してましたよね?ってゆう証拠が出てくる。

その度たくやに見せてみる。

何回謝る気?

ほんまヌルい。

全部捨ててやった。



クローゼットの仕分けが終わった。

ここさえしてたら他はサクッと終わるやろう。

「何か色んな意味ですっきりしたな!!」

…いやいや、たくやが言う?

もう、浮気してるの知ってるし、証拠が出たところで今更どうもせんけど。

…なんか腹立つな。

なんでうちはこいつがいいんやろう?

自分が謎でしかない。





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