似合う色を教えてくれた人

第20話 にんまりする

病院のエントリーシートを郵送して、就職試験と面接の案内が送られてくる。

今日は病院の下見。

たくやに車で連れってもらってだいたいの場所を把握…したかったけど方向音痴やからさっぱりわからん。

とりあえず、田舎の方に向かって行く事はわかった。

たくやの職場の場所も考えて中間地点くらいに住もうかって住む地区をだいたいしぼる。

たくやの部屋に戻ってきて、洗面台で発見。

前の指輪が置いてある！！

「たくや、指輪あったんやね！」

いじわるして聞いてみる。

「あー、…うん。無くなってなかった」

「どこから出てきたん？」

「………忘れた。けどあったんや」

めっちゃ目そらすやん。

一体どうなったのか気になる！

絶対に聞けんけど。

たくやが見つけて隠したんかな？

浮気相手見たとしたらどんな反応したんかな？

自分が送りつけた指輪貼り付けてあったらびっくりやろうな！

1人になった時ににんまり笑ってしまった。

まだ繋がってたとしても、一緒に住むからそれまでには何とかするやろう。

すでにちゃんとしてる可能性だってある。

今、舞い上がってて無双モードみたいになってる。

浮気相手いたとしても関係ない。

だってうち、本命やし！！

変な自信。

バイトして引っ越し資金も貯めたいし、国試の勉強もあるしで夏休みはバタバタ過ぎて、あっと言う間に就職試験と面接。

わざわざ都会から縁もゆかりもない田舎に行く物好きはいないから、系列学校なのもあって絶対に落ちることはないらしい。

面接は彼氏と住むので香川に就職しますは志望動機としてどうなのか？

先生はそれが事実やからそれ言うしかないじゃない？って。

言われた通り彼氏が香川にいるのでこっちで就職考えましたって言ったけど大丈夫だった？

洋介は夏に受けた模試の結果が悪過ぎて禁欲生活するらしい。

7割取れるまで彼女もうちともエッチはしないらしい。

洋介には受かって欲しいから一緒に我慢して国試の勉強をがんばった。