第13話 お届け物

その翌週の週末、ポストに謎の封筒。

宛名はうち。こんな字見た事ない。

差出人は書いてない。

ふってみると小さい何かが入ってる。

おそるおそるあけると中には前のペアリング!

それ以外は何も入ってない。

ちょうどうちの親指が入るくらいのサイズで、たくやのもそのくらいのサイズだった。

これたくやの?

何?えー、怖い。

どういう事?

やったのは浮気相手?


誰に確認?…たくやには言ったらダメなやつや。

洋介!!…1番しっくりくる答えをくれそう。


って事で相談。

とりあえずうちの家集合。


「先週、彼氏のとこ行って、やっぱり浮気はしてるっぽかった。

歯ブラシと使いさしのゴムは発見しました!

で、彼氏が無くしたって言ってた指輪が送られてきたんやけど…これってどういう状況やと思う?」


「指輪は、たぶん浮気相手が隠したか取るかして、彼氏は無くなったってなったんちゃうかな?

これ女の子の字っぽいやん。

別れたって言ってたのにまだ付き合ってるってどっかで気付いて、かおり宛に送りつけてきたんじゃない?

浮気相手は指輪送られてきたけど何で?ってなる展開を望んでるんとちゃう?」


「うちも同じ事を想像した!

これにどうしたらいいと思う?」


………

「俺は思いつかんわ。

親友がいい案あるか聞いてみる?」


「呼んでみようか?」


洋介はうんうんと頷く。


親友は仕事終わりに家寄ってくれて、また指輪について説明。


…どうしたらいいと思う?


「コンドーム残り1個だけにしてそれにテープで貼り付けてみる?

彼氏もえっ!?ってなるし頑丈に貼ったら浮気相手も気付いて2人とも困らんかな?」


「…頭良すぎん?

それ次、仕込んでみるわ!

ありがとう!!」


親友は帰って行った。


「洋介、まだいる?」


「ちょっと人生相談乗って?」


「…?どした?」


「夏くらいまでに、就職受けるとこ決めるんやけどさぁ、京都にしようか、大阪行こうか迷ってて。

俺は大阪行きたいんやけど、彼女はまだ2年大学があるから、京都にいて欲しいらしいんや。

どう思う?」


「大阪行きたいって気持ちあるなら行った方が良いと思う」


「やっぱり、かおりやったらそう言ってくれると思ってた。

ごめん、俺、後押しして欲しくて聞いた」


「遠恋でも大丈夫。愛してるって彼女に言ってあげたらいいんやって!

で、就職の時にこっちこいってバシッと言えたらいいんやって」


「それかおりが彼氏に言って欲しい事やろ?」

…なんでわかるかな?図星すぎる


「…」


「黙った。絶対、図星や!

かおりは?彼氏の返事待ちとか?」


「全く何も話してなくて、そろそろ話をしなあかんって洋介の話聞いて思ったところや」


「えー、おっそ!!

方向性とかだけでも話しておかな向こうがどう考えてるかわからんやん」


「…うん。次、話す」

話すの不安しかない。


洋介がぎゅーって抱きしめてくれる。

「大丈夫やからちゃんと話しておいで?

辛いことあったら慰めてあげるから」

うちの気持ちわかる?ってくらいうちが欲しい言葉と行動してくれる。

洋介といるの楽すぎる。










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