第2話 東京在住の男性の場合
スマホを握りしめながらそわそわしていると、コール音がなった。
待ち遠しかった連絡。けれど、なぜか画面は『非通知』。
どういうことなんだろう。普通ならそんな怪しい電話をとったりはしない。けれどこの時は、彼女ではないかと気が逸っていた。
「もしもし、真理ちゃん?」
しかし相手は、僕が望んでいる相手ではなかった。
『私、メリーさん』
可愛らしい女の子の声。
だけどそれは、僕の心を逆撫でする。
ざわざわした。頭に響くような、金属音。この声は、この世のものではないと直感した。
電話をかけてくるメリーさん? そんなの、都市伝説のメリーさんしかいない。
イタズラ電話とは思えなかった。さっと、興奮していた身体から、一気に血の気が引く。
今、とメリーさんが切り出した。僕の命はあと何kmなんだろう、と覚悟しながら聞く。
『今、あなたの恋人さんと一緒に、新宿駅の西改札にいるの』
ざわめく人の行き来。カンカンという電車の音。
……僕がいる場所は、東改札だ。
「いや正反対ッッッ!!」
思わず僕は叫んだ。
【※説明しよう!
新宿駅は、別名
あと改札口がやけに多くわからんことで有名らしい!
なおこれを書いた人間は新宿駅には行ったことがない! なのでこれは、インターネットの情報のみで描かれた作品である!
これを読んでる東京在住の方は、生暖かい目で見てね!】
『ごめーんタッくん。私、田舎育ちだから、東京なんて初めてでー。改札口がたくさんあるなんて知らなくてー』
「真理ちゃん!? 君メリーさんの電話からかけてるの!?」
すごいな真理ちゃん! 都市伝説の電話からかけてくるとか!
「っていうか、真理ちゃんなんでメリーさんの電話から!? 迷子にはなるってわかってたから一応スマホの前でスタンバってたけど、まさかメリーさんの電話から掛けてくるとは思わなかったよ!?」
『それがー、ついうっかり、家にスマホ置いてきちゃってー』
「遠出するのにスマホ忘れてきちゃったのッ!? 支払いもスマホで済ませる現代でッ!?」
西改札まで、迎えに行きました。
自由通路ができてよかった。前だったらわざわざ遠回りしてた。
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