仄白い休日

三瀬 しろり

仄白い休日

3時50分 窓を優しく叩く雨の音で目が覚めた

今日は雨かなんてぼんやり思いながら

そのまま目を閉じた

8時30分 カーテンを開けると土砂降り

出かける家族を見送って

ドリルを開いた

しっかり休めていない頭はもやがかかったように白くて

快いような 痛いような

不思議な日

17時45分

天井を見上げながら

心地いいような居心地の悪いような気持ちで

ふわふわした頭をみしりと動かして

言葉を綴る

今日は何ができただろうか

時間を無駄にしてしまっただろうか

そう呟いた誰かを

天使がゆっくりと抱きしめる

天使は最近現れた新参者

時々ふらっと現れては

自分を追い詰める言葉を零す口元を

あたたかい真っ白な手で塞いで

すこしだけ笑うの

大丈夫 こわくない

こういう日が合ってもいい

言葉は言い聞かせるとほんとになるんだって

こわくない

こわくないよ

雨はやんで白い雲がかかる

雨上がりのお日様も綺麗だけど

こういうのも悪くないかもね

息が詰まったような喉元を

そっと包み込んだ

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仄白い休日 三瀬 しろり @sharp_r

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