幕間1-1

あたしの名前は藤原茜ふじわら あかねえっとー・・二十歳の大学生です!

性格?ぇーっと・・天津満開?とか人から言われる事が多いです。

(ぇ、てんしんらんまん?やだ・・やりなおし!!)

えっと、天真爛漫な性格です。はい。


今日は一樹たちとの出会いのエピソードなんかを振り返ってみようかなって思います。


出会ったのは大学に入ってからで、最初は学校説明のオリエンテーションでした。

ツンツン頭のハイテンション男子がもう1人の翳りのある彼をどつきまわしていて・・

最初は大学にきてまでいじめ?って思って、ちょっと引いたんです。

でも会話が耳に入ってきちゃって、なんだか辛い事があった彼を元気づけようとして無理にハイテンションに振る舞っていたようでした。

で、翳りの彼の方にちょっと興味を持ったのが最初でした。

え?・・あー・・意外って思われるかもだけど、ハイテンションな人って苦手なんですよねぇ。


オリエンテーション中も彼の事が気になってて、『心ここにあらず』な暗い表情っていうかシリアル?シリ・・アス?なんか惹かれちゃってて、ついつい見つめちゃったりしてて。

その時、あたしの隣に座っていたのが麻衣ちゃんでした。

麻衣ちゃんはハイテンションなツンツン頭に一目惚れだったみたいです(ニシシw)


あたしがあんまりツンツン頭たちの方を見ているもんだから、知り合いなのかと思ったらしく、

オリエンの後に声を掛けられました。すっごい小声でテンパってる感じがチョー可愛いくって♡

で、なんとなく一緒に、彼らの後ろついて歩いてたんです。


サークルどこにしようかーとか。バイトあるからなーとか。そんな会話が聞こえてきてて、

『──だから大丈夫だぁって!お前ならすぅぐに新しいの見つかるから!いい加減元気だせよぉ』

『ぁぁ...それはもういいんだ...。そんなんじゃ...ないから...。』


で、ついつい声が出ちゃったのよねぇ‥。

「本当に辛い事があった時は、心を休ませてあげる事も大切だよ!ね?」


『は?』『え?』『ちょ・・茜ちゃん』


「ぁ・・・ごごごめんなさいい急に(汗)なんだかすごく落ち込んでるようだったので気になっちゃって・・」


ツンツン頭が翳りの彼をどつきながら・・

『ほぉら、こんな美女たちにまで心配かけちまってぇー。罪なヤツだよ実際w』


翳りの彼が慌てた様子で・・

『ご・ごめんごめん!そんなんじゃないんだ。ただの寝不足で・・昨日は貫徹で材料集めて職人に託したのが割れちゃってそれで』


何の話なのか意味が解らなかったんだけど・・


『あの職人、何つったけ?』


『土器土器陶太郎』


『そうそう!「土器土器陶太郎」!』


そこで、丁度横を通りかかっていた小太りで黒縁メガネをかけた男が入り込んできたんだよね。


『呼んだでござるか?』


『は?』『え?』「・・・」


もう何が何だか意味不明過ぎだったんだけど、整理すると、

翳りの彼は昨晩、徹夜でMMORPGをプレイしていて、ゲーム内の「土器土器陶太郎」っていう職人に武器の合成をお願いしたら、成功率99.99%の合成でまさかの失敗。何日もかけて集めた素材が全て消滅したと・・。

それが「辛い事」で、翳りのある表情だったのは単に寝不足で、、土器土器陶太郎っていうのが、たまたま同じ大学に居たという...。彼らは合成失敗の0.01%どころじゃない奇跡の偶然だと盛り上がってました。


そんなこんなで、あたしたち5人は出会ったのでした。


学部は違ってたりだったけど、学食で一緒になる事もあって気付いたら集まってたりしてて、

今では皆で遊園地行ったりもする仲なのです。


そして今日ついに!あたしは一樹をショッピングに誘って1歩踏み出そうと決心していたのでした!

洋服店で『どっちの服が似合うかなぁ?こっち?一樹が好きな方は?』とか、

食事では『分け合いっこしよ♪』とか言ってさりげなく間接キッスとか決めて・・そして最後に気持ちを伝えて・・みたいな事を妄想していたんだけど、

現実は・・100均いって雑貨に夢中になり、ハンバーバーガーショップで大口空けてバーガー食べて、極め付けは『男女の友達って良いもんだな』という一樹の言葉...。


今日のところは1歩進んで留まった感じで良しとしよう。うん。


焦るなあたし!

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