抱き枕より幼馴染‼︎ってか、これは…これはいったいどうなっているんっすかぁ〜⁉

猫の集会

こ、これは…いいんっすか⁉︎

 あーさぶいさぶいさぶい

 

 寒い通り越してさぶいっ‼︎

 

 なんで冬の朝は、こんなに寒いのだろう。

 

 ばっさぁ〜。

 

 あまりの寒さに二度寝決定‼︎

 したんだけどー…

 

 

 ハァ〜、二度寝最高っス〜。

 二度寝の心地よさにうっとりうつらうつら

 しながら抱き枕をムンぎゅ〜。

 

 ムギュムギュムギュ〜。

 柔らかいしあったけー…自分の体温で温め

 られたこのお布団さん。

 けどさ、なんか首のところがサワサワして

 むず痒い。

 

 ぽりぽり…ぽりぽり

 

 …ん?

 何このサワサワした糸みたいなやつ?

 

 糸の元を手で探る。

 

 …

 

 えっ⁉︎

 これ、人間じゃね⁉︎

 

 慌てて目を開けて確認。

 

 ‼︎

 やっぱり…

 

 人間の頭ー‼︎

 えっ⁉︎

 妖怪が…いや、おバケ…黒髪のおバケ…って…

 

「んー…」

 ゴロンと転がり顔が見えた。

 それはお隣の家の幼馴染…

 

 美桜みおーー‼︎

 

 なんで美桜がオレの布団に寝てんの⁉︎

 

「おい、美桜」

「ん…、もう朝?ご飯できたー?」

「なに寝ぼけてんだよ。オレだよ!雅也まさや

「あー、まさや…さや…さや豆…」

 ガフり

 

 ⁉︎

 

 こいつ寝ぼけてやがる。

 オレの手をさや豆だと思って噛みついたん

 だな…

 

「おい、美桜ーー」

「えっ?…」

 ぱちっと目を開ける美桜。

 

「うわっ、雅也ー⁉︎あたしの布団で何してんのー⁉︎変態でてけー」

 

 ドサッ

 

 オレは布団からはじきだされた…

 

 イテッ

 それにさむっ…

 と凍えかけていると美桜が、

「あー…、部屋間違えたかも…」

 と言いながらオレに手を差し伸べてきた美

 桜。

 

 手を伸ばし救助してもらおうと思ったらい

 きなり、

「あ、こんなことしてる場合じゃない」

 と手をベチっと振り払われた…

 

 イテッ

 

 本日二度目のイテッ…

 

 美桜は、いっつもオレにこんな感じだ。

 

「なんで急に振り払うんだよ…‼︎」

「雅也に本借りようとして…でも雅也起きないからさ、つい長居しちゃった。で、うっかりねちゃって…もうお昼だから帰るわ」

 

 なんて言い出した。

 

 えっ⁉︎

 お昼がそんなに大事かよ⁉︎

 

 てかさ、オレ寒いのっ‼︎

 それにお昼ごときでオレを振り払う美桜に仕返しだ‼︎

 

「美〜桜ちゃん」

「えっ…な、何⁉︎」

「オレ寒いの。だからオレを突き落とした罰としてオレを温めなさい」

 と、布団ごと美桜にのしかかってやった。

 

 ムギュムギュムンギュ

 

 絶対蹴散らされる…

 ふりはらわれるよ…

 って‼︎

 

 えっ⁉︎

 アレ⁉︎

 

 んっ⁉︎

 

 なぜ嫌がらない⁇

 

 これじゃあ、オレ…ただの変態じゃん…⁉︎

 美桜を抱きしめてるただの変態っすよ…?

 

 えっ?

 

 …

 

 シーン

 

 いいの?

 いいのいいの⁉︎

 

 めっちゃ心地いいっすけど…

 

 

 …

 

 

 んっ⁉︎

 まさか窒息してないだろうな⁈

 

「美桜⁉︎」

 布団をバサッとはいだ。

 

 えっ、ええ?

 

 顔が真っ赤…

 

「おい、大丈夫かよ⁉︎顔真っ赤じゃねーか‼︎苦しくて返事も出来なかったんだな。ごめん、ほんっとごめんな」

 と謝ると

 

「…別に窒息してない」

 と言い出した。

「あー…、そうか…じゃあ熱あんだろ⁉︎熱‼︎」

「ないよ‼︎」

 

 …え、じゃあなんでそんなに…

 

 …

 

「え?」

「んもー、鈍感‼︎お腹すいたからもう帰る‼︎」

 

 美桜は、ドアをしめて帰って行った。

 

 へ?

 

 鈍感⁇

 

 んええええええぇえっ⁉︎

 

 まさかそういうことー⁉︎

 

 え?

 美桜が?

 まさかの⁉︎

 

 嘘だろ⁉︎

 

 いや、ナイナイ…

 んなわけ…

 

 …

 

 ないでしょー。

 

 

 よくわからないが日曜日の次の日、いつものように月曜日がやってきた。

 

 学校での美桜は、いつも通りだった。

 

 

 

 うん。

 オレの勘違いだ。

 

 美桜がオレを好きだなんてありえないんだ。

 

 美桜は、部活のキャプテンだし頭もよくて美人だからモテモテなんだ。

 

 そんな美桜がオレを好きだなんて…

 

 オレったら…んもー…。

 

 …

 

 でもさ、なんか…なんか美桜…

 たまにチラッチラオレをみるんだよな…。

 

 えっとぉー…。

 

 よくわからないまま、またいつものサイクルで日曜日がやってきた。

 

 で、いつものように布団でダラダラ。

 

 すると、美桜がオレの母ちゃんにお裾分けだよ〜んとぶつぶつ交換をしにきた。

 

 …ったくおばさん同士ってお裾分けとかモノの交換好きだよなぁーと下の二人の声をききながらゴロゴロしていた。

 

 で、いつのまにか二度寝。

 

 

 あ〜、抱き枕〜‼︎

 なんて心地いい抱き枕〜‼︎

 

 それにしても先週の美桜の抱き心地よかったなぁ〜。

 

 美桜〜‼︎

 

 …

 

 駄目だ‼︎

 やっぱり抱き枕より美桜がいいよぉー‼︎

 なんて…そんなこともう二度とありえないけどな。

 

 オレは抱き枕をバサっと床に落とした。

 やっぱり、抱き枕じゃなくて美桜がいいよー‼︎と。

 

 

 …

 

 そこにちょうど美桜がやってきた。

 

「まだ寝てんのー⁇あんた腐るよ⁉︎」

 と。

 

 …

 

 美桜。

 

 あー‼︎美桜じゃん‼︎

 

「美桜、ちょうどよかった。」

「ん?なに?」

「抱き枕落とした。拾って。オレ今日は布団から降りないゲームしてんだ」

「はぁ?くっだらなーい。」

 と言いながら抱き枕を拾う美桜。

 

 で、オレに素直に渡してくれる美桜に

すきありー‼︎」

 と抱き枕じゃなくて美桜を布団に引っ張り込んだ。

 

「ウキャぁ〜‼︎」

「もう逃げられますまい。今日一日美桜はオレの抱き枕だぞ」

 なんてくだらない冗談をいうと

「うん。いいよ」

 とオレに抱きつく美桜。

 

 え…?

 オレは美桜に抱きしめられたままフリーズ。

 

 …

 

 え…?

 

 んー…

 

 えっとぉ〜…

 

 んっ⁉︎

 やっぱりこの前の鈍感宣言って…

 

 あの宣言ってまさか…

 

 まさかなのっ⁉︎

 

「美桜〜、なんだよー。オレのこと好きなら早くいえよなーぁ」

 なんて冗談っぽくいうと、

「うん。ずっと好きだったよ。なのに雅也全然気づかないし」

 なんて返してきた。

 

 

 ぇえええええええええぇ〜。

 

 マジで⁉︎

 あんなにモテる美桜がこんなだらしないオレでいいわけ?

 

 なんでオレ?

 

 

 …

 

 はっ…、まさかこれはドッキリなんじゃ⁈

 

 日頃美桜をおちょくってる仕返しだな。

 

 よし、のってやろう。

 

「美桜〜、オレも好きだよぉ」

 ムンギュ〜。

 からの頭ナデナデ。

 

 もうこの際ヤケクソのやりたい放題。

 

 だってこんなチャンス二度とないかもだもんな。

 

 はぁ〜、幸せ。

 美桜は、オレの彼女になるわけがないんだ。

 

 だから、せめていい思い出を。

 

 ナデナデ。

 ムンギュ〜♡

 

「美桜〜。大好きだよ〜」

「わたしもだよ〜」

 ムギュ〜♡

 

 …

 

 てかさ、美桜…

 

 冗談にしては、これ長すぎね⁉︎

 

 えっ⁉︎

 こんなに長いことイチャイチャしてていいの⁉︎

 

 んっ⁉︎

 

 えっ⁉︎

 

 まさか…まさかガチの方⁉︎

 

「美桜」

「なに?」

 

「オレさ、美桜のことガチで好きなんだけど」

「え、うん。わたしもだよ♡」

 

 …

 

 え、どっち⁇

 これマジなやつ⁉︎

 

 わかんねーよ。

 いつがドッキリ暴露時なの⁉︎

 

 …

 

 え?

 

 もう…もう賭けにでるしかねーな。

 

 布団の中で美桜に優しくおでこコツン。

 

 せ、成功した…。

 

 なら、次は…

 

 とりあえずいったん抱きしめてからの美桜をみつめて…

 

 頭ナデナデしながらの…

 キ、キス。

 

 するよ⁉︎

 

 ねぇ?

 ドッキリ暴露するなら今だろ⁉︎

 

 しない⁇

 なら、しちゃうよ⁉︎

 

 いいのね⁉︎

 

 じゃあ、するからねっ⁉︎

 これしたら美桜は、完全にオレの彼女だかんな?

 

 するぞ⁇

 いいな⁉︎

 

 

 

 …

 

 

 

 チュ〜つ♡♡♡

 

 したーーー‼︎

 

 マジな方ーーー‼︎‼︎

 

 ガチかーー‼︎

 

「美桜〜♡」

 ムンギュ〜♡

 

 チュチュチュ〜♡

 

 ムンギュ〜♡

 

 チュ〜♡

「雅也〜、大好き〜♡」

 ムギュ〜♡

 

 

 

 

 オレはこうして幼馴染の美桜と付き合うことになった。

 

 毎日のイチャイチャは、最高だ。

 

 学校では、イチャイチャしない。

 

 でも、日曜日だけはかわいい美桜がオレに甘えてくるのだった。

 

 ♡

 

 おしまい。

 

 

 

 

 

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抱き枕より幼馴染‼︎ってか、これは…これはいったいどうなっているんっすかぁ〜⁉ 猫の集会 @2066-

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