第17話
ベルカが
想像しただけで怒りと不快感がこみ上げてくる。
俺に腕があれば、今すぐこの腐れど外道のツラをぶん殴っていただろう。
▽いいか、絶対にサインするな。
たとえ、ベルカがサインしても逃れる方法はいくらでもある。簡単だ。人造妖精の力に物を言わせて大暴れすればいい。
だがそんなことをしたら最後、二度と台湾緩衝地帯は使えなくなる。最悪の場合、世界中の緩衝地帯で指名手配されるハメになる。
それだけは避けたい。だから、ベルカにはここで書類を突っぱねて、早々にお引き取り願わなければならない。
それなのに……
「荷物は、返してくれるんですよね?」
「ああもちろん。嬢ちゃんが一生懸命働いてくれたらな」
「……わかりました」
▽ベルカ……!
「オーケーオーケー、実にスマートな交渉じゃねえか。何事もかくあれかし、だ」
直後。
バシンッ。
強烈な電流がベルカの身体を駆け抜け、俺の視界がブラックアウトした。
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