第10話「手掛かり」
ビートとブリッランテはマラカスノイズラーに苦戦していた。
だが、そこに現役最強の戦士グランディオーソが現れマラカスノイズラーを瞬殺した。
先に奏での戦士団本部に戻ったグランディオーソ。
茂と裕二は本部に戻った。
すると……。
「よっ!来たか」
そこに居たのは世界的ロックスターの王堂壮馬(おうどう そうま)(34才)だった。
「えっ……えぇ〜!!何で何で王堂さんがここに!?何のサプライズ!?」
茂は大パニック。
「茂君落ち着いて。ちゃんと説明するから」
音曽根が茂をなだめる。
「だって……俺、王堂さんのメッチャファンなんだけど……」
「ハハッ、そうか、ありがとう」
「あの……王堂さんがここに居るって事はもしかして……」
裕二は意外と冷静に尋ねる。
「ああ、俺がさっきお前らを助けた戦士。グランディオーソだ!」
「えぇーっ!?」
「やっぱり……」
「皆さん、お茶を淹れましたからどうぞ、座って下さい」
と言って出て来たのは新庄の妻で女優の石崎桃香だった。
「あれ?石崎さん何で?」
ドラマで共演中の裕二も不思議に思った。
「ええっー!?今度は石崎桃香さんかよ!?」
「ああ、まだミューズさんの声が治ってないからな。色々大変だろうと思って手伝いを俺が頼んだんだ」
と新庄がやって来た。
「なるほど……今日は驚く事ばかりですね……」
「まぁ、皆揃った事だしとりあえず座ってくれ。ミューズさんも呼んで来るから」
そう言って音曽根はミューズの部屋に行く。
「でも良いんですか?石崎さん今日は貴重なオフですよね?」
裕二が尋ねる。
「良いのよ。私は明日にはクランクアップで忙しくは無くなるから」
「そっか……そろそろ恋まほも終わりなんですね」
「ああ、俺はもう少し撮影があるけど、石崎さんの出番は撮り終わる」
「でも佐野君はドラマが終わっても年末は歌番組が多いからまだまだ大変だろ?」
「えぇ、まぁ……年越しまでびっしり予定が……」
「流石人気アイドルだな……売れないバンドマンの俺達とは違うな……」
「今年は紅白も初出場だもんな」
「えぇ、その後はそのまま東京ドームへ向かって事務所総出で年越しライブですよ……」
「ひゃ〜忙しいな……」
「まぁでも年越したら音楽番組も少なくなるし、少し落ち着きますよ」
そんな会話をしているとミューズと音曽根が出て来た。
そして……。
「ママーこれ開けて」
海人が桃香の元へお菓子の袋を持ってやって来た。
「あっ、海人君も来てたんですね」
「えぇ、折角だから」
そう言って桃香は海人からお菓子を受け取った。
「あれ?海人、このお菓子どうしたの?」
「このおじちゃんに貰ったの」
そう言って海人は王堂を指差した。
「えぇっ!?王堂さんすみません……」
新庄も慌てて王堂にお礼を言う。
いつもは豪快な新庄も王堂には緊張してる様だ。
「いやいや、気にするな俺、子ども好きだからな」
「王堂さんって子ども好きなんだ……全っ然そんなイメージ無かったな……」
茂が小声で呟いた。
「海人、人から物を頂いた時はパパとママに言わなきゃダメでしょ!」
桃香が海人に注意をする。
「ごめんなさい……」
「あのー……そろそろ本題に入りたいんですが……」
音曽根が入って来る。
「ああ、そうでした……」
「じゃあ、海人。パパ達大事なお話があるみたいだからママとお買い物でも行って来ようか」
「うん!」
桃香は海人を連れて出掛ける。
「さて……で本題だが……茂君にはまだその存在を話して無かったな。王堂君が神の楽譜の手掛かりを掴んだ」
「神の楽譜?何だそりゃ?」
茂は神の楽譜の存在を初めて聞かされた。
だが、他の戦士達も話に聞いたでだけで実際には誰も見たことが無いらしい。
音曽根の話によると神の楽譜はノイズのボス、ベルアゼズを倒す事が出来る神秘のアイテムらしい。
貴重な物なので奏での戦士団でも極一部の者しか在り処を知らない。
これは極秘情報の為、代々隠され続けて来たからだ。
王堂はミューズに頼まれその神の楽譜の手掛かりを探す為に世界中を回っていた。
「そんな凄い物があったのか……」
「ああ、だが気になる事がある……」
「何です?」
「俺は日本に戻って来る前は北極に居たんだが、そこでノイズの幹部フリーゼと戦った。その時何故かフリーゼは神の楽譜の存在を知って探していた……奏での戦士団の中でも極秘の存在をノイズが何故知っているのか……」
「え?そうなんですか?」
「考えられるのは……そう思いたくは無いが……奏での戦士団の中に情報を横流ししている裏切り者が居る可能性だ……」
音曽根は深刻そうな顔でそう語った。
その瞬間、全員に緊張が走った。
「まっ、あくまで可能性だ。勿論お前達を疑ってる訳じゃない。奏での戦士団のメンバーは世界中に居る訳だしな」
その時、ノイズラーが出現。
「皆、ノイズラーだ」
「折角皆集まってるんだ。全員で行ってクインテットストライクで一気に片付けてやるか」
「はい!!」
茂達は全員で現場に向かった。
現場ではオルガンノイズラーが街を破壊し、人々を襲っていた。
茂達が到着。
「こりゃひでぇな……」
「来たわね、音楽の戦士共……さぁ、これ以上街に被害を出したく無ければ神の楽譜の在り処を教えなさい」
そこにはフリーゼが居た。
「アイツも幹部なのか?」
「奴はフリーゼ……北極で俺が戦ったのはアイツだ。一気に行くぞ!」
王堂の掛け声で6人の戦士達は一斉にそれぞれの楽器を呼び『変身』
だがそこに!
「流石に6人相手では分が悪いだろう……加勢してやるぜ!」
そう言ってドレイクとゼレーバも現れた。
「幹部が揃い踏みか……ならこっちも全力で迎え撃つ!」
ノイズと音楽の戦士達の戦いが始まった。
ビート&グランディオーソVSドレイク。
「ビート、俺に合わせろ!」
「はい!」
「テメェらの相手は俺だ!!」
更にボイス&ブリッランテVSゼレーバ。
「行くぞブリッランテ!」
「俺に指図するな!」
「仲良くしたらどうだい?二人共地獄に行くんだから!」
ゼレーバが二人に攻撃を仕掛ける。
フォルテVSフリーゼ。
「あなた、美しいわね……目障りだから、死んで頂戴」
「悪いけど……そんなつもりは無いわ」
そして、フェローチェVSオルガンノイズラー。
「ったく、俺の相手コイツかよ!!」
それぞれが激しい戦いを繰り広げる。
その様子を見ている音曽根とミューズ。
「まさか……敵の幹部が一気に現れるなんて……これじゃあクインテットストライクどころじゃないぞ……」
「ピンチなのか?なら俺が行くぜ」
声がし音曽根とミューズが振り返るとそこに居たのは……。
音楽の戦士、ジーグ/深見駿(ふかみ しゅん)
「ジーグ!!どうしてここへ?」
「俺も今帰って来たんですよ。アイツらピンチみたいですけど……俺行きますよ」
「そうだな……頼む、手を貸してやってくれ」
「りょーかい」
深見も現場に向かう。
その頃、ドレイクの攻撃を受け、ビートがダメージを受ける。
「ぐあっ!?」
「おい、大丈夫か?しっかりしろ!!」
グランディオーソが駆け寄る。
「ええ……まだやれます……」
ビートは立ち上がる。
「そろそろくたばれよ……その方が楽だぜ?」
「ふざけんじゃねぇ!!音楽には楽な道なんかねぇんだよ!!それは……戦いでも一緒だ!!」
ビートがドレイクに挑む。
「彼……威勢が良いね……」
「ああ……ん?!!深見!お前……」
深見が現場に到着した。
「王堂……俺も手を貸すぜ」
深見は変身アイテム『エレキギターチェンジャー』を取り出す。
そして『変身』
ジーグが登場。
ドレイクに向かう。
「ん?アイツは……」
「えっ?」
ビートも振り向く。
ジーグは『エレキギターチェンジャー』で音を奏でる。
すると、ドレイクに攻撃。
「ぐわぁぁぁっ!?」
「あ、あの……あなたも音楽の戦士?」
「ああ、宜しく、後輩君」
ジーグは更に激しく『エレキギターチェンジャー』で演奏。
ゼレーバやフリーゼ、そしてオルガンノイズラーにもダメージを与える。
「皆!今だ!!」
グランディオーソが叫び合図をする。
ビート、ボイス、フォルテ、ブリッランテ、フェローチェが集まり一斉に演奏を始める。
「まずい……引くぞ!!」
ドレイクがゼレーバとフリーゼを撤退させる。
必殺技『クインテットストライク』が発動。
残ったオルガンノイズラーを倒す。
戦いが終わり、戦士達が集まる。
「あの……あなたは?」
ジーグが変身を解除。
「俺は深見駿、宜しくね」
深見は皆に笑顔で挨拶。
新たな戦士も加わり心強い仲間が増えた。
続く……。
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