第35話 孤児院改革⑤

 個別に支援計画を伝え終わり、ラポーラはアジェンダさんに会いに事務局に行く。事務局はラポーラを暖かく迎え入れ、奥の部屋に通された。すぐにアジェンダさんはやってきた。


「ラポーラくん、前はありがとう。さ、座って。早速だが来てもらったのに私から話していいかな?」


「こんにちは。もちろんどうぞ。」


「ズーラとリンダの事をより詳しく調べていたんだ。そうすると他の孤児院の管理者のほとんどがお金に関して引き抜きや誤魔化しがたくさんあってね。全員辞めさせると孤児院の運営が大変なことになってしまうんだ。そこでラポーラくんの見る目を見込んでお願いしたい事があるんだ。」


「孤児院の運営ですね。とりあえず、管理者と孤児院は見に行きましょうか。」



「話が早くて嬉しいよ。これが他の孤児院の資料です。見てどの孤児院が1番介入が必要か教えてほしい。」


「わかりました。しかし資料だけではわからないところがあるので、実際に他の孤児院を見に行きたいのですがいいですか?」


「ありがとう。早速だけど、日程を決めましょう。」


「それはいいのですが、後で私の話も聞いてくださいね。」


「そうだったね。先にラポーラくんの話を聞くよ。」


「ありがとうございます。この前は紹介してくれた人達とても頑張ってくれそうで、良かったです。今回は冒険者の教える人を紹介して欲しいです。出来たら、簡単な狩を教えてくれる人と、冒険者に必要な知識の多い人。知識の多い人は素材の知識が多く、解体も教えれる人がいれば嬉しいです。もう1人は斥候の知識がある人が欲しいです。現役でなくて良いのですが。」


「ありがとう。ラポーラくん。冒険者はあまり長くできないから、冒険者の後に何をするか決まらない人が多いの。怪我した人は何も出来ないし。だから、引退後に冒険の事を教えるのはとても嬉しいと思うわ。冒険者ならではの良い話がたくさん聞けるわよ。」


「そうですか。いいですね。ありがとうございます。」


 まだまだしたい事はあるが、とりあえずはバイス孤児院の改革はひと段落ついたな。

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