第26話 孤児院改革③

「さ〜、みんなの面談とアセスメントは終わったな。次はっ…」



 ラポーラは次の行動に移ろうとしたとき、事務局のお姉さんが来た。


「お姉さんいい所に来てくれました。」


「お姉さんじゃなくて、私にはアジェンダと言う名前があるので、今度から名前で呼んでね。」


「アジェンダさんですね。わかりました。」


「早速だけど、ラポーラ君が頼んでいた人達を連れて来たわよ。」


 アジェンダさんはそう言うと5人の大人を招き入れた。


「ラポーラ君が頼んでいた、子育ての人と勉強を教える人よ。」


「ラポーラです。この孤児院の管理者です。よろしくお願いします。まずは面談をするのでこちらまで。」


 ラポーラは5人を部屋に案内し、少し待ってもらうよう伝えた。アジェンダさんから、5人の履歴などを聞く。ラポーラには1人気になる人がいた。オーラが赤いからだ。



 ラポーラは気合を入れて部屋に入る。


「今日はお越しいただきありがとうございます。簡単な話を聞きたいので、1人ずつ隣のドアから呼ばれたら入って来てください。」



 まず最初は子育て希望の女性だ。


「マチルです。よろしくお願いします。小さいのに凄いですね。私は以前にこの孤児院で働いてて、自分の出産と子育ての為辞めたのですが、子育てがひと段落したのでもう一度働きたいと思い来ました。」


「ご丁寧にありがとうございます。前の時よりする事が変わっていたり、他の人には言ってほしくない事、あっ、やましい事ではないですよ。ま、しっかりと孤児院が運営できるようになるまでは黙ってほしいだけです。そんなことがありますが働けますか?」


「は、はい。大丈夫です。」


「では、マチルさん、これからよろしくお願いします。」


 次の人はサマンさんで10代の女性だ。その人は子どもが好きで働きたいらしい。オーラも青いし、大丈夫だろうとの事で採用となった。マチルさんに言った事も承諾してくれた。


 次の子育て希望の人だが、前の2人と比べると目つきが悪い。


「自己紹介を」と言う前に…


 「わぁぁ〜、おじさんにひどい事をした恨みだ〜」


 と言う前にラポーラはその人の腕を取りナイフを落とす。そして捕まえた。


「アジェンダさん、この人は働く意志はないようなので連れて帰って下さい。」



 アジェンダはあっという間の展開の速さに固まっていた。ラポーラに言われてハッとして腕にロープを巻いて連れていく。



「うるさいしてごめんなさい。さっ、次の人どうぞ。」



 何もなかったかのように面談を続けるラポーラだった。次の人は強張った表情になってしまった。


「加工の指導をしているシュゲイです。よろしくお願いします。」


「よろしくお願いします。指導と言っても現在教えて欲しいのは1人なので、指導しながら、加工の仕事も一緒にしてほしいのですが大丈夫ですか?加工のお金は別途出来た分事に支払います。」


「はい。加工も是非したいです。」


「ではよろしくお願いします。」



 もう1人は商業を教えるカブカさんだ。その人も商業の仕事を年齢のため辞めたが、現役の時はすごい人だったらしい。指導と商業の基盤作りも合わせてお願いすると張り切っていたのでお願いした。


 4人は明日からよろしくと帰宅してもらった。アジェンダさんはもう1人を追求する為先に事務局へ戻っていた。


 「人材オッケーだな。じゃあ次だ。」




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