第8話 日常


今、俺達は、更に歩みを進めもう二つ村から離れた街にいる。


「おはようリヒト…それじゃあ…」


そう言うと京姉は俺に跨ってきた。


いつも、少しダボダボのシャツを着ていて、これは脱いでくれない。


そして、俺には何もさせてくれないで一方的に京姉が俺を貪る。


『自分から喜んでする』それが京姉の俺への愛の証だと解っているからこれが凄く嬉しい。


結局、誰も京姉の心は奪えなかった。


その京姉が今、俺を愛してくれている…充分報われた。


「あっイヤらしいだ、鼻の下が伸びている」


「仕方ないじゃん、この状況じゃ」


「そうね…仕方ないか」


京姉の笑顔が戻ってきた…これ以上の幸せはない。


◆◆◆


京姉と買い物に来た。


最低限の物は買ったが、これからの生活で必要な物を買い揃える為だ。


新婚みたいで…いやよく考えたら新婚じゃないか…歯ブラシ、お揃いのコップや食器…それを一緒に選ぶのが…楽しくてしょうがない。



あの子のスカート京姉に…


「痛ぇぇぇぇぇぇーーっ京姉なんでいきなり脛蹴るの」


「今、他の子見ていたじゃない? 浮気した罰よ…罰」


「浮気じゃ無くて、あのスカートを見ていたんだよ…ほら京姉は足が細くて綺麗だから似合うかなって思って」


「ごごご、ごめんなさい…私の脛けっても良いし殴っても良いから嫌いにならないで…私、私…」


京姉は凄く焼きもち焼で…凄く俺に嫌われるのを怖がるようになった


「京姉、落ち着いて、俺が京姉を嫌いになるわけ無いよ『愛しているから』ね..」


「リヒト私も愛しているわ…嬉しいありがとう」


焼きもち焼でかなり泣き虫になった気がする。


それに必ず体の何処かを密着させている。


手を繋いだり、腕を組んだり…後ろから抱き着いていたり、横からもたれかかったりしている。


これも京姉の愛し方の一つみたいだ。


京姉のしてくれる事全てが俺には嬉しくて新鮮だ。


うん…幸せだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る