某ネコ型万能ロボットがでてくるアニメの劇場版的な児童小説

本作が応募されている「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」の応募要項には、『求めているのは、「長編児童向けノベルの種」になる短編小説!』とあり、私自身これを読んだ際に「種ってなんだろう?」としばらく悩んだのですが、この作品を閲覧した際に「なるほど」と思いました。

想定読者は10~15歳で、それなりに「自分の好み」を主張する年齢です。
親が「教育上、良い」として与える作品には、反発を覚える時期とも言えます。

そう考えると、本作はもし書籍化した際の表紙を想定するに可愛いケモ耳女子や美人なエルフお姉さんと主人公の愛らしいイラストになると思いますので、子供が「自ら選んで」読む可能性が高いです。

そして、読んでいくうちに自然と、環境破壊や絶滅危惧種の問題を学べるという寸法。

これって、某ネコ型万能ロボットがでてくるアニメの劇場版でよくある手法に似ていて、児童向けとしてとても「上手い」。

「親が選んだ」のではなく、「子供自身が選んだ」という点が10~15歳向けの児童文学としては大事だと思うので、本作は「核」をついている作品だと感じました。

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