最強の席に座る女

 開幕の式典に色んな顔ぶれが現れる。


 巨人の大男とニヤニヤしている男のペアだったり、様々だ、もちろんあの時挑発してきたあのスミスという男もいる。


 もちろん蹴散らす準備はできてはいるが、まぁ行けるか。


 そんな事を考えていると、ばんっと周りのステージから煙と花火が放つ。


「それでは!開幕!!!!!」


 開幕の合図と共にステージにいる選手、観客が大盛り上がりしていた。


「随分と盛り上がっているな」


 と俺はボソッと呟くとそれが聞こえたのか、隣で聞いたシオンはボソッと呟く。


「・・・そりゃあこの神星街で1番でかい大会だからね・・・ 血の気が多い奴らは盛り上がるんだろうね」


「観客も物好きなもんだこんなもん見て何が楽しいのやら・・・」


「それは同感・・・この先の時代が怖く感じるよ全く。」


 そんなことを言ってるとトーナメント表が出たA.B.Cとグループに別れており更に、その中で準決勝を決める為に戦うらしい。

 さて、俺らはどうやらCグループらしいな。あの挑発してきたスミスという貴族はBグループ。

 さて当たったらぶっ飛ばすか・・・


 なんて思っていたら早速試合が始まるらしい。

 俺達は控え室に戻るのであった。

 さぁてどうしたものかと思っていたら矢先シオンが尋ねてくる。


「・・・どうするんだい?初っ端から本気で行くかい?」


「・・・いや、本気で行ったところで体力持ってかれるだけだし、一瞬でケリつける所まででいいんじゃないか?

 それに策がある。」


「・・・その策とは?」


「・・・俺は終盤まで手の内を明かさないようにする。

 つまり前半の敵達はお前さんの実力に任せても良いか?」


「・・・つまり君は戦わないと?」


「・・・あぁ、俺の名は世間には届いているだが戦い方や戦術はお前らしか知らない。ここまで行けばわかるか?」


「・・・成程つまり表で戦ってる私が戦って後半の決勝戦前後で君も出るという事で良いんだね?」


「・・・あぁ、アンタの実力は俺が知っている。

 勿論キツかったり、したら俺も参戦するどうだ?行けるか?」


 顎に手を添えて考えているシオンはまぁ大丈夫だろうと考えたのか承諾した。

 しかし、何処かため息を付いていた。


「・・・仮にもボクは女性なのだからそこは女性には戦わせたくない!だから俺が行きます!みたいな感じには出来なかったのかね・・・」


 何を言い出すんだこの女は・・・女性って言ったってあんた最強やろうが・・・

 なんて事を考えていたら。

 またドアが勝手に開いた。


「・・・意味の無い作戦会議かい?そんな事をしても無駄なんじゃないかな?」


 とめんどくさい貴族野郎がまた現れた。

なので少し挑発をする。

うざいから・・・



「・・・貴族様は随分と暇なんだな・・・パートナーか護衛か知らん奴ほっぽり出して相手を煽りに来たのか?

 悪いがあんたのような男に鼻から眼中に無い。出てけ出てけ」


「・・・貴様随分舐め腐ってる態度を取るじゃないか、悪人の分際が・・・聞いたぞ?村を半壊させた疑いがあるんじゃないか・・・

 ・・・なぁ?君とやらまぁ偽名なのか本名なのか知らないけどよく審査通ったと褒め讃えたいものだ。

 まぁ、極悪人と世界最強様が手を組むなんて、シオン殿も落ちたものですねぇ」


 そう、俺はという偽名を使っている。

 流石にカナエまで行くとこいつにバレるからなぁ、まぁバレたとてどうでもいいけど笑


「・・・その極悪人にてめぇはさっきから喧嘩を吹っかけてんだ、言葉を発する時は命がかかってると思えよ?」


「・・・脅しかい?この僕を?・・・残念ながらそんなものは聞かない。

 君達はCグループだったねぇ?精々決勝まで上がってくる事だね。」


 そう言ってアイツは去っていった。

 何しに来たんだアイツは・・・


 そう言って窓から観戦をして居た。

 やはりあの巨人とにやにやしている男はなかなかのコンビネーションで勝ち残って行く。

 Bブロックではやはりあのスミスと言う男と傍付きの女が圧勝していた。

 まぁ実力はそれなりにあるんだなと思っていたが・・・

 そんなこんなでcブロックのトーナメント戦が始まった。

 第1試合がそれなりの冒険者的な感じのペアだな。


 よしじゃあ任せるとしますか・・・


 開始の合図がなったと同時にシオンが前に出る。


「これはこれはシオン・リリージュ様・・・お相手出来て光栄です。」


「残念ですがここは戦いの場、手加減はしませんよ?」



 相手の冒険者の男達は剣を構えて前へ走り出すとシオンはお辞儀してから剣を抜く。


「いきなりで申し訳ないが君らには退場してもらう」


 剣先を相手の男達に向ける。


「できるのかな?これでも私達は中々の強さだと自負しているのだがね〜」


「残念ながら貴方にはそんな事は出来・・・!?」


 出来ない・・・そう言おうとした男は酷く驚いていた。

 そうだろう。シオンの異様な威圧が放たれ、ビリビリと稲妻が剣に集中する。


「散れ、【終焉の一撃】・・・」


 ・・・男達は避ける素振りを見せるが完全に遅く、モロに攻撃を食らう羽目になる。

 下敷きになった男達は黒焦げになって倒れていた。


 そして技の反動でステージも半壊する。



「うわぁ・・・破壊力やっば・・・俺あれ食らってよく死なねぇよなって自分でも思うな」



 ──そう。たった一振の攻撃でステージが半壊。

 この女、ほんとに強ぇな・・・

 最高じゃん俺楽できる〜


 なんて考えるのも直ぐに変わるのであった・・・


 "勝者 シオンリリージュ & カナ"


 ────────────────────

いやぁギリギリ間に合った!

って事で今年もあとわずかですが皆様楽しんでくださいませ!

良いお年を!

来年もこの孤独の狩人とヤンデレ王子系の女騎士の戦い!?を応援してください!


今年はありがとうございました!

また来年もよろしくお願いします!

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孤高の狩人とヤンデレ王子系の女騎士の戦い!? @yorusannn

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