o-kushon

このでかい港町には、月に一度オークションが開かれる。

オークションには人、魔道具、装備、防具、美術品に権利。大抵のものは金を積めば手に入る。

そんなオークションでも半年に一度しか、収納袋は出品されない。

もっと収納袋が欲しいので、俺は参加して、収納袋を買い取ることにした。


オークションには既に何度も参加してるので、仕組みは大体理解している。

今回は収納袋が出品されるからなのか人が多い。全員顔隠してるから、誰が誰とはわからないけど。


「今回資金足りるかな?」


「奪えばいいじゃない。」


「マナー違反だぞ。こういうのはお金のやり取りだけだから成り立つ商売なんだよ。そんなことを繰り返してたら、オークションそのものが開催されなくなる。」


「それはそうかもしれないけど、それも含めてオークションでしょ?」


「それはそうだがな。正直1個持ってるし。そこまでして、欲しいとは思えないんだよな。どうせ多くの奴らの争奪戦になるだろうしな。」


「そうね、乱戦になりそうだわ。」


オークションが始まり、あらゆる物が競売にかけられる。

収納袋は最後から2番目のオークションにかけられる計画になっている。


「暇だな。」


「暇ね。」


「ご主人様〜頭撫でて〜」


アリシアが甘えてくる。頭を撫でていると、スノウが逆方向から体をくっつけてくる。スノウも頭を撫でてやると、気持ちよさそうな顔をする。

ジャンヌもそこに参加してきて、いちゃついて時間を潰した。


ついに収納袋のオークションの時間が来た。


「それでは、本日の目玉商品、収納袋の競売を開始します。この収納袋の収納容量は小ですが、滅多に出回らない商品です。白金貨10枚から!!」


それから、白熱して白金貨130枚まで高騰した。高くなりすぎだろ。

もちろん俺が競り落としたが。


「競売の熱も冷めやらぬうちに本日最後の商品に行きましょう。本日最後の商品は竜人の娘。まだ子供ですが得意な属性は光属性。これも白金貨10枚から!!」



「ヘぇ〜。竜人ってだけで珍しいのに、光属性なんてさらに珍しいな。」


「そんなことより商品の受け渡しに行きましょうよ。盗まれてるかもしれないのよ。」


「そうだな。受け渡しに行くか。」


商品の受け渡しも終わって、帰り道絡まれた。


「少し待て平民。」


貴族らしきやつとその護衛が6人。


「なんか用か?」


「その収納袋を置いていけ。そうしたら無傷で返してやる。」


「お前らってここら辺の貴族じゃないだろ。ここら辺の貴族なら俺たちを知ってるから襲いかかってこない。」


「何が言いたい?」


「スノウ」


スノウが最大出力で氷魔法を発動して、その隙に俺達は走って森まで逃げる。


「追え!!」


貴族が騎士達に命令して、俺たちを追わせる。なるほど、口だけじゃない。騎士達はちゃんと猛者だ。だが、森の中で騎士なんて対して強くない。逆に俺たちは森では強くなる。

騎士6人を蹂躙した後、さっき絡まれた貴族をなぶり殺しといた。

後日、オークションの開催者から謝罪を受けた。


「申し訳ございません。ジン様このような結果になるとは。」


「別にいいぞ。わざわざこんな事を謝罪しに来たのか?」


「そうです。謝罪の品として、こちらをお受け取り下さい。」


オークション最後に見た、竜人の奴隷を差し出してきた。


「おかしいだろ。何を企んでる。」


「単刀直入に申しますと、この子は主人を殺しかけたのです。それに力が強く我々の施設を気分次第で壊して、正直手に負えないのです。」


「それなら、そこらへんの奴隷商人にでも売ればいい。」


「この子が、ジン様の元にいかないと、もっと暴れると脅されまして。」


「子供にやりたい放題されてるな。それで、お前はなんで俺を指名したんだ?」


「なんとなく。悪い?」


昔のジャンヌみたいなやつだな。


「分かったよ。俺が貰うよ。」


「白金貨10枚です。」


「金を取るのか?」


「あなたならこの子にそれ以上の価値があるはずですよ。私たちでは引き出せない価値が。」


「分かった。払うよ。安い買い物だ。」


金は余ってるので、白金貨10枚でこいつを買った。

この前、俺を襲ってきた貴族らしきやつから白金貨120枚ぐらい奪ったことをこいつは知ってるんだろうな。


「それでは、またの機会に。」


「ああ。」


ジンは、金髪竜人美少女を手に入れた。


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