道中
「とりあえず、海沿いに進むかな。近道になるし。」
海沿いに進むと、かなり近道になる。この世界で道といえば、弱い魔物しか出ない場所を通る。なので、結構遠回りをする。
逆にいえば、危険な道を通れば通るほど近道になる。
「野宿は嫌だが、宿も危険だし泊まりたくない。旅がめんどくさくなってきた。」
「じゃあ、戻る?」
「今までの味に飽きたからな。新しいものが食べたい。これは本当なんだ。」
「しょうがないんじゃない。野宿用のテントがあるだけ、マシよ。」
「地面が硬いから、寝心地も無茶苦茶悪いんだよな。せめて布団持っていければな。」
「嵩張るから、絶対持ってかないわよ。収納袋があれば別だけれども。」
「そんなもん。一部の最上位の奴らが独占してるだろう。どこで手に入るのも分からないしな。」
「噂だと、どこかのダンジョンから出るらしわよ。」
「世界各地のどこのダンジョンからだよ?」
「さあ?」
「砂漠の中から一粒の金を見つけるのと同じだろう。」
「それは言い過ぎでしょ。」
「そうだな。言い過ぎだな。いい例えがすぐに思いつかなかったんだよ。」
「そうね、そんな感じだったわ。」
駄弁りながら、森の中を走った。
「あれ?もしかしてワイバーンの群れか?」
「そうね。倒す?」
「いやいい。街が近くにないから、金にもならないし。そこまで経験値も多くないし。」
「そうなの?でもワイバーンは美味しいわよね?」
「群れを相手にするんだぞ。めんどくさいにも程がある。」
「じゃあ、今日のご飯は何?昨日と同じ干し肉?」
「なんかいないか?ジャンヌの方が獲物を見つけるのが美味いだろ。」
「何かね、、、、。ん〜〜〜。あっ!!鎧猪がいるわ!!。」
「近いのか?」
「いや、私のの探知範囲ギリギリだわ。」
「無茶苦茶遠いな。でもいいぞ。あの猪は無茶苦茶美味いからな。」
鎧猪は防御力がハンパないが、その分、身が引き締まっていて、味が引き締まっている。
この世界にあった酸味の強いタレとよく合う。酒ともよく合う。
鎧猪を食った後、テントを張って、Hして寝た。
迷い除けの魔道具も虫除けの魔道具も使って。
翌朝
昨日凍らせておいた。鎧猪を食べながら、街までのざっくりとした地図を眺める。
「早く布団で寝たい。」
「そうね。水ベッドでも使いましょう。」
「水ベッド?」
「袋の中に水を入れて、その上に寝るのよ。それなら荷物が嵩張らないでしょ。」
「いいな、それ。次からはそうしよう。」
それから、魔物を狩りしながら、料理を作り、1週間で砂漠の国、カンザスについた。
「クソ暑いな。お前ら常に体の周りに氷魔法で体温冷やしとけよ。」
日差しも強いので、とりあえず頭を布で巻いといた。
「順番間違えたんじゃない?」
「そうだな。旅の最後でも良かったな。砂漠では食糧少なそうだし。強い魔物と盗賊が出た時に森がないから、速く逃げれないからな。」
「そうよね。でも食べれそうなものはあるわよ。」
「どこに?」
「地中に魔物の反応があるのよ。」
「どうやって、狩りに行くんだ?」
「さあ?」
「とりあえず、進もう。このコツコツ作った帆船で!!!」
近くの森で、帆船を作って、ここまで運んできたのだ。まあ、帆はくそでかい葉っぱだけど。木を船の形に切っただけだけど。
「空に、魔物の反応がないのだし、まずは空からどの方角に行ったらいいのか、確かめましょうよ。」
「いいなそれ。楽しそうだ。」
クソでかい葉っぱをパラシュートみたいにして、下から風魔法で空を飛び、周囲に何か街がないかと、確認した。
「何もない。どうしよ。」
下に降りて、ジャンヌ達に何もなかったことを説明する。
「どうするの?」
「今の俺の食糧は一週間分があるから、とりあえず2日砂漠を進もう。
そして無理なら、帰ろう。」
「大丈夫なの?砂漠に方向なんてわからないわよ。」
「大丈夫でだろ。方位磁石使えば。」
「方位磁石?」
「軽く、水を張ってその中に小さい鉄の針を浮かべればいいんだよ。そしたら、その針は常に同じ方向を指すしな。」
「そんなのがあるのね。さすがジンだわ。」
ということで、船にみんなで乗り。帆にみんなで風魔法を使い速い速度で進む。
アリシアはあまり魔法が得意じゃないので、非常時の戦力だが。
たまに、空を飛び、周囲に何かないか確かめる。
1日目にクソでかいミミズに襲われた。とりあえず、アリシアが切り刻んでいた。
こいつは獣人で身体能力が高いし、さらに身体強化の魔法が得意。相性がいい。
これだけなら、今のこいつはそこまで強くないが、宝剣を持たせるとかなり強くなる。
なんなら、宝剣が無茶苦茶強い。身体強化される割合も切れ味も頑丈さも。尋常じゃない。
「これを食ってみるか。美味いかもしれないしな。」
クソまずかったから、そこらへんに捨てた。
2日目
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