第4話 おっちゃんと猫又と猫魈のアンラッキーな7日間





 私こと福岡田ふくおかだ 七之助しちのすけは、今回のヨムカクのお題に愕然がくぜんとした。



 YAC 2023 ~ヨムカク・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2023~



 その6回目のお題が『アンラッキー 7』だったのだ。


 そう、私……いや俺の小学生時代のアダ名が『アンラッキー 7なな』だったんだ。



 俺が小学生の頃に転校した時に自分のアダ名を『ラッキー 7セブン』と紹介したのを気にくわないと思ったのか、後にイジメっ子となる奴が、



「『ラッキー 7セブン 』なんて、生意気だ !


『福岡田』だから『不幸だ』


 そうだから、『アンラッキー 7なな』がお似合いだろう ! 」



 う~ん、アダ名のことでは書けないな。


 他のヨムカク作者たちも、今回の難題には苦しんでいるようだな。


 オメガポリスから始めた執筆も、もうすぐ2年目が過ぎて3年目に成る。


 せめて、7回とも参加して皆勤賞は欲しいのだが……



 俺が悩んでいると、愛猫さくらが甘えてきた。


 もう、随分長い付き合いだが、最近は尻尾が二つに別れてしまったのだ。


 心配したが、元気なようだから大丈夫なのだろう。


 なぁ~に、尻尾が二つなんて個性だ、個性。



  ── お兄ちゃん、何かがきたよ ?


 お兄ちゃんはボクが守るから、気をつけて外を確認して ! ──


 長年の付き合いで、さくらの考えが解るようになったのは、ラッキーだな。



 ドアを開けると黒猫……サファイアが居た !



「ヤッホー、おっちゃん !


 ボクとの約束を破ったね、罰としてボクにも筋肉料理胸肉、スジ肉をご馳走してよ !


 猫魈ねこしょうのボクには全てお見通しさ !


 7日分で手を打つから、よろしくね!


 ボクには、ラッキー 7 だったね 」



  ── 誰、このお姉ちゃん !


 筋肉料理って、ボクの分が減るなら アンラッキー 7だよ ! ──



 そう サファイアの言う通り、ヨムカクのお題『深夜の散歩で起きた出来事』に勝手に出演させてしまったんだ。



 どうせ、バレているんだからとサファイアに相談に乗ってもらうことにした。



「『七つの大罪、傲慢・強欲・嫉妬・憤怒・色欲・暴食・怠惰』の7種類の欲望・感情・悪徳をアンラッキー 7の題材にしたらどうかな ? 」



「そんな難しいの書けるの、おっちゃん ? 」



「うん、確かにそうなんだが、『アンラッキー 7セブンマン』は ? 」



「安置すぎ!……食べ終わったから本屋に帰るね、おっちゃん。


 いやぁ~、やっぱりボクには、ラッキー 7日間だね ! 」



 ── こんなのが 7日間も続くなんて、ボクにはアンラッキー 7日だよ !


 サファイアには、お兄ちゃんは渡さないからね ! ──


 結局、『ラッキー 7マン』が怪獣を倒す時に周りの建物を壊しまくり、人々から非難を込めて、


『アンラッキー 7マン 』


 を書いて投稿したら散々なコメントで溢れてしまった。



 さくらは不機嫌に成ってしまうし、恨むぜ『アンラッキー 7』を考えた奴 !



 これが、さくら とサファイア初めての出逢いだった。




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