第2話 集会所に向かう猫の後を追いて行っては、いけない !
ネタが浮かばない。
仕事が終わり晩御飯を食べた後、趣味の小説を書こうとしたら、どうしてもネタが浮かばなかった。
人手不足もあり、少数で厨房を切り盛りしている為にヘトヘトだけれども、趣味の小説を読むことと書くことが唯一の俺の楽しみでもある。
酒も
まあ、アイディアが浮かばない時は、スマホとにらめっこしてても良いアイディアは浮かばないだろう。
そういう時は、夜の散歩でもして気分転換したら良いアイデアが浮かぶかも知れない。
ふと、スマホの時計を見たら深夜 12時を過ぎていた。
念のために身分証明書を持ち、アイディアが浮かんだ時にメモをする為にスマホとタッチペンを持った。
そう、俺はスマホとタッチペンで小説を書いているのだ。
深夜の散歩をしていると、昼間に買い物をした本屋さんの前を通りかかった。
あれ ? 本屋さんの看板猫のサファイアだよな。
こんな深夜に散歩かな……
もともと、猫の集会に興味を持っていた俺は、サファイアの後を追けることにした。
幸い、音の立ちにくい運動靴を履いているからサファイアには気付かれないで追いていける。
サファイアに気付かれないように後を追けている間に知らなかった場所に着いた。
「こんな場所が有ったのか 」
思わず独り言が出てしまい、サファイアに気付かれてしまった。
「やっぱり、ボクの後を追いて来ていたのは、おっちゃんだったのかぁ~
仕方ないなぁ~、特別に見学はしても良いけど他言無用だよ。
もちろん、小説のネタにしてもダメだよ ! 」
「猫が、サファイアが
やっぱり、サファイアは
「違う、違う、ボクは
それと、向こうにいる猫たちが猫又だよ。
今晩は、特別な夜。
猫は猫でも
もう一度言うけど、 #他言無用、小説のネタ__・__# もダメだからね 」
言葉も出せずに、
薬屋のレオナルドに美容院のイッコー、喫茶店のビヨンセまで居る。
……猫又、多いじゃないか !
結局、猫たちは『ニャァ、ニャァ 』言っているだけで話している内容は解らなかったが真剣に会議しているのだけは判った。
何をされる訳でも無く、無事に家に帰るとウチのさくらが、お出迎えしてくれた。
そういえば、さくらがウチに来て何年経っただろうか ?
「さくら、お前は猫又じゃ無いよな ? 」
「ニャァ~ 」
さくらが笑ったような気がした……尻尾が二つに別れているのも気のせいだな、きっと……たぶん。
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