第45話 女性陣が外堀超えてきた

 騎士団の面々が帰ってくる、兵隊を連れて、犠牲は兵士三人、重傷者一人、馬三頭、怪我をした馬二頭。

 自然移動は遅くなるがあそこに置いておく訳にもいかないし兵士長の話では戦闘は避けるつもりだったらしい。

 馬車を一台でっち上げて送った、けが人なんかを載せるために向かい合わせの一列座面。

 あまり騒がれなかった、最初からあったと思ったようだ。


 ジョイさんがよぼよぼしてユウに乗っている、今回は下着をはいていたな。

 デバスさんがアルマジロ鎧をメイスにぶら下げて担いでいる。敵兵に二十人の女性がいる、中には妙齢の美女も何人かいる、仕方ない。

 三時間はかからないだろう、夕食のメインはバーベキュウでいいか。

 無人島とかいろんな狩場に行って自分の保管庫に移す、カボチャを見つけた、焼いても煮ても美味いぞ。そいえば西瓜ってないのか見ないな。


 「オームールー」

 「どわぁあぁ」


 どしゃあぁぁぁ。

 この人はほんとに!。


 「オムルの匂いだ、ホントの匂いだぁ」

 「ホントのってなんだ?、そこに入ってる布切れは何だ、見せてみ・」

 ぶちゅうぅぅぅ。

 「ふふぇふぉぉ」

 このやろう。

 渾身の力で引きはがす、なおも縋ろうとする口を押し返しながら言う。

 「僕はもうお嫁さんを見つけたから、子ども扱いしないふぇ」

 力負けして又キスをされる、しばらくして動きが止まった。


 「およめさん?」

 「そ、そうだよもう」

 口を拭うとリサの声がする。

 「あの?お母さん」

 「誰がお母さんだってぇ」

 「リリカ混ぜないで」


 「ちょっと待って、あなたまさかっ」

 リサを見ながらズボンに手を突っ込んでくる、小さい時から確認されている、これが結構気持ちいい、違う、触りすぎ。


 「なんで?、何でこんなに。そんなぁ、早いわよぉ」

 がっくりする母さん。悪いが男子もこれくらいで成長するもんだよ影で。

 「こんなに急に大きくなるなんてーー!!」

 なに叫んでんだ!。背だよな背丈だよな?。


 「まあ、そうですの?」

 「あら良かったわ」

 「あたしも色々見て貰ったし」

 「僕は知ってるよぉ」

 「私ももう直ぐ適齢期だし」

 「オムル様あの、ね?」

 「おねちゃ、なに?」


 「「は?」」

 思わず母さんと目を合わしてしまった。

 どうした、なにがどうなった、マリンカさん今から襲うよ、ナツフカさんフラグ無かったよね、ユリシアさんは確信犯だ目を合わさない、クリームさんいつのまに、大人しいホスリアルちゃんどうした、シャサちゃんそんな目で見ないで、マミルちゃんは分かってないな。

 母さんが顔を覆って俯いた。

 「ごめんなさいオムル、節操を教えるのが間に合わなかったわ」

 乗っかって合わそうとすんな、わ、なんて普段言わないだろ。


 だけどどうなった?。いやこの面々と一緒に寝るなんて、いかん。ファ、フィフティーン、フォーティーン、サー、サーティ?、ツエルブ・・・・。


 「君、皆お嫁さんって言ったんだって?」

 クリームさんダメ押ししないで、今思い出したから。

 「しようがなぁいね」

 「しょーがない、しょーがない」

 読みちゃんズまで乗ってきた。もう。

 

 その後感情がバグってしまったのか母さんが大人しく皆とバーベキュウの準備を始めた、本気ならなぁ。


 「あは、あはは、あはははは」

 やがて帰ってきた騎士団の女子三人が挨拶をした後の母さんの反応、ごめんって、テミスさんの胸見てから睨まないで。


 コルトバ兵の兵長ママ・イヤ・セコーズさんから聞いた話では黒髪黒目の少年を拉致することが命令であったと。

 出兵の指示はウジルノウ邸に良く来る子爵だそうだ。


 「お父さん、帰らないといけなぃ」

 「そうか、何か持っていく?」

 「飴とカツサンド!」

 「リサ姉!、飴とカツサンドーっ」

 デフォルトになっているキッチンにリサが居たので頼む。

 ママさんが首をかしげて何か考えている。

 「でや、隊長や!!」

 慌てて顔を隠すが遅いな。

 「ツキヨミ様!、え、最近見ないと、え何で、は?」

 「コハクちゃんどうしたのー、ぁ」

 「ホシヨミ様まで!!、何で、にせもの?」

 「偽物と違うよ!」

 いやそこは乗ってもいいんでは?。


 「私が彼女たちを息抜きに連れ出してるんですよ」

 キッチン前に並んでいる二人を見ながら言う。

 「ここ二年ほど姿を見なかったのはそれでか?」

 「違います、ほぼ監禁されています。先日から時々遊びに来て貰ってるんです」

 「へえ、これが傀儡ってものか」

 「本人ですよ、ほらああやってお土産も持って帰るし」

 二人が手を振るので立ち上がる。

 「監禁されているのか?」

 「初めての姿見てなくて良かったですね」

 少し憂鬱そうな顔をした彼女に少しだけ意地悪をしたかっただけだ。


 二人を連れてパーテイションに向かうと団長とテミスさんがきた。

 「見せちゃだめだよ」

 「分かってますテミスさん、お願いします」

 「な、なんだよ、あんたら、怖いんだよ」

 あの攻撃をみたらね。 


 兵士一人に一つベンチを作る、就寝時に使って貰うが今は全員で使う。

 ここにテントを張られると死角が増えてやりにくい、又、全部に屋根をかけるつもり。

 ナクやネル少し大きくなったユウやデバスさんやガラリアさんも普通にうろちょろしてる。意外に一太刀も熊に入れなかったガラさんが一番怖がられている、地獄耳モードで聞くのはいきなり現れた、熊のすべての攻撃を休み休み凌いでいたと、なるほど。


 武器もなくここで悪さは出来ないだろう。


 母さんにはコールに飛んでもらう、首都騎士団に応援を呼ぶためだ、今晩中に向こうに着くのでそれから今後のことを決める。

 今のところは私をコルトバに連れて行ってもらうことになっている。

 脅しを兼ねて兵士たちには水鉄砲を見て貰った、手も口も動かさず大岩を粉みじんにすると全員が同じ反応をする、あれ?団員の皆は見てなかったっけ。


 後は私を説き伏せた態で連行してもらって話をしようと。


 皆を連れてコールまで護送する騎士を追加してもらおうと思った。女性騎士たちが変装してついてくると言ってるし。


 それまでの時間は兵士達とのコミュニケーションや避けていたウジさんの身辺を覗こうと思っている。


 子供の神経が止めろと言ってたからだが兵士達の感じから悪代官レベルな感じがする。


 さっきメリルさんを覗いたらお礼と、彼女と別れたと言っていた、もう一人いたな、後でいいか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る