第27話 百合さんとぬいぐるみ



企画旅行として高原の別荘にやってまいりました。


私の所属するチームを中心とした有志での旅行です。


もちろん我が音無家所有の別荘・・・ 

ではなくエリザベス先輩のご厚意によるもの


今年は特別に百合さんと水玉さんが参加します。


なぜ小学生が・・・





「百合さん方をお招きして夜会を催したそうですね」



エリザベス先輩 百合さんたちとのお泊り会の様子を聞いたようですね。


夜会を催した覚えはございませんが・・・



「次回は私が主催致しますのでご招待できないでしょうか」



日頃お世話になっておりますので、すぐにスケジュール調整です。



――――



まずはランドセルガールズですね。



百合さん 水玉さん 連休を利用して一緒に旅行に出かけましょう。


二泊三日 お姉さんに可愛がってもらえますよ。



「行きます。行きたいです。お母さんに聞いてきます」


今度はきちんとお母さまに相談できましたね。


えっ 費用ですか。もちろん無料ですよ。ご招待致します。


こちらが幾許かのお礼を包まなければいけないくらいですよ。

美少女とお泊りなんですよ。でへへ



――――


さて チームではだれが参加できるでしょうか。


私とエリザベス先輩は確定です。


スケジュールを確認すると思った以上に皆さん忙しいですね。


姫子さんが空いていますね。スケジュール確保しましょう。

あと空いているのはアリスさん・・・ 確保しましょうか。


ふたりともすぐに承諾が入りました。決まりですね。

プロジェクト名『ランドセルガールズを高原で愛でる会(極秘)』としたのが良かったのでしょう。



あれ・・・ エンジェル先輩 呼んでいないのにいつの間にか参加になっています。

プロジェクト名だけで即座にスケジュール調整する先輩・・・

やはり無駄に行動力ありますね。



旅行の詳細を語る前に七名の参加者が決まりました。

あまり大所帯になるのもいけませんね。

これで確定と致しましょう。



ランドセルガールズにはご両親も含めきちんと説明しておかなければいけませんね。


水玉さん 高原でテントを張ってキャンプだと思っていますし・・・



――――



当日 待ち合わせの世界樹広場に現れた大型サロンバス


参加者数 エリザベス先輩を含めて七名なのですが・・・ 

私、伝えましたよね。



顔を見合わせる百合さんと水玉さん



降りてきたエリザベス先輩に慌ててカーテシーでご挨拶


ふたりとも順応能力ありますね。素晴らしいですよ。



お見送りに来た百合さんと水玉さんのお母様 状況が理解できませんよね。


大丈夫です。それが普通の反応かと存じます。



「バスの中がお部屋です」



水玉さんの反応が可愛いです。


テーブルを囲んで座るとグラスにウェルカムドリンクが用意されます。



どうしたら良いのかわからずに固まるランドセルガールズ


エリザベス先輩がホストを務めるのです。色々とあきらめてください。



さあ乾杯しましょ



――――



数時間のバスの旅



途中、運転手の方にお菓子を「あ~ん」するという暴挙に出た後輩がおりましたが無視致しましょう。平常運転でございます。



ホスト役に慣れているエリザベス先輩のおかげで和やかに過ごすことが出来ました。


少しでも淑女になろうとエリザベス先輩の仕草をまねるランドセルガールズ

微笑ましゅうございます。


この経験はいつか役に立つと思いますよ。





まもなく目的地 すっかり高原の風の中にいます。


昼食はエリザベス先輩お勧めのお店 フレンチのミニコース


ランドセルガールズ緊張しております。



――――



「百合さん お付き合いは順調に進んでいらっしゃいますか」


上品に爆弾を投げ込むホスト役のエリザベス先輩



「クリスマスには贈り物を交換されたと聞いておりますよ」


火に油を注ぐ爆乳姫子さん


エリザベス先輩の前では私たちも社交界モードに入るのです。


私も参加させていただきましょう。



「愛らしいクマのぬいぐるみを頂いたそうです」


「まあ 素敵ですこと 眠るときもご一緒されているのでしょうか」


上品にキラキラしているエリザベス先輩です。



「えっと・・・ はい ご一緒しています」


ご一緒していらっしゃるそうですよっ 真っ赤ですわっ 夢の中でもご一緒ですわっ


エリザベス先輩が相手なら素直に答えてしまうのですね。



「いいなぁ 百合ちゃん」


思わずつぶやく水玉さん 私も羨ましいです。



「クマ いいなぁ 欲しいなぁ」


アリスさん あなたはぬいぐるみが欲しいだけのようですね。



「ダメです。あげませんです」


百合さん なにか混乱しておりますが惚気だけは伝わってまいります。


甘いデザート 美味しゅうございました。





緊張で疲れてしまったのでしょう。


おなかも満たされてバスの心地よい揺れ



百合さんと水玉さん 肩を寄せ合ってお昼寝です。


可愛いです。尊いです。でへへへでございます。



これは写真に残しましょう。後世に残すべきです。世界遺産に認定です。



私たちの旅行ではひとりに付き100枚以上の撮影が義務付けられております。


自撮り、料理写真、連射はカウントされません。よって隙あらば撮影なのですよ。


爆乳姫子さんの提唱により始められました。



『いつまでもこのままで居られないのなら、いつかこの夏を思い出すために』

     (爆乳姫子名言集「大きなお胸で抱きしめて」より抜粋)




これだけ多く撮影しますと「奇跡の一枚」と言われる写真もございます。


不意打ちの呼びかけに振り向いた姿が私の「奇跡の一枚」と呼ばれております。


ただし「奇跡の一枚」の陰には「95枚のいまひとつ」と「4枚の見せちゃダメっ」が存在するのも事実でございます。



しかしどの瞬間を撮影してもいつも可愛い百合さんと水玉さんがいますからね。

可愛いって羨ましいですね。やはり可愛いは正義でございます。



「いつも優雅で美しいエリザベス先輩」


「いつもイケメンなエンジェル先輩」


「いつも色気漂う爆乳姫子さん」


「いつもおちゃめなアリスさん」



・・・もしかして私だけっ



今回の旅行では全員の「見せちゃダメ」を撮影したいと思います。ふんす

   (※R-じゅうななさい規制あり)


――――



さて目的地が近くなってまいりました。


そろそろ起きていただきましょう。



ほっぺ ツンツン わぁ 柔らかいっ



ごめんなさい・・・まじめに起こします。



もうすぐ到着ですよぉ


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