第23話 百合さんと恋愛の魔女



召喚魔法を発動させた翌日



『恋愛の魔女』爆乳姫子さん 召喚です。


緊急事態には強い姫子さん いつもお世話になっております。



「姫子お姉さんは魔女さんだったのですね」



そうです。魔女さんです。恋愛の魔女さんです。


大きなお胸で殿方を翻弄する魔女さんです。



私を聖女さまにして遊んだ分、ここで返させていただきますよ。




「百合ちゃんならバレても大丈夫かな」


「雪ねえさまと異世界のみんなを助けているのですね」


「百合ちゃんが学校に行っている間にね。内緒だよ」



想像以上に乗ってきましたね。打合せなしですよ。

姫子さんアドリブ上手すぎます。



気が付けば異世界パーティーが意外とそろってまいりました。


【聖女】ユキ・オトナシ

【魔女】ヒメコ・バクニュウ

【賢者】アキ・エンジェル

【勇者】ムテキ・アリス



アリスさん 彼女は勇者ですよね。勝手に枠入りです。





「騒ぎになっちゃったかぁ 仕方ないね。百合ちゃんが彼と上手くいっているから」


「義理チョコあげただけですよっ」



はいはい お顔が真っ赤ですよ。


百合さん注意しておきますけど姫子さんも彼氏いませんからね。

あまり惚気ると泣きますよ。



「で、水玉ちゃんの恋もかなえてあげたいと」



水玉さんの可愛い恋バナはきちんとお姉さま会議にて共有されています。


しかも今回はお泊まり会で撮影した映像付き♪ 盛り上がりました。



「まずは、情報操作で意識をそらしましょう」



魔女さん・・・魔法使ってくださいよ。恥ずかしいかけ声の魔法使ってくださいよ。

魔法のステッキかざしながらくるくる回ってくださいよぉ



「情報操作魔法ですね」



あら 百合さんは納得したようです。



――――恋愛の魔女『情報操作魔法』――――


『手作りのアミュレットは効果がある』


『香り付けが重要』


『香りは自分が好きな香りを選ぶのがコツ』



この三つを百合さんからアドバイスとして情報を流してください。

(百合さんが選んだのは偶然雪ねえさまの香り「月下美人」でした)



情報を伝えるときは相手の目を見てゆっくりと小声で話すこと


これが魔法をかける秘訣だよ。


――――――――――――――――――――――



ずいぶんと現実的な魔法ですね。


水玉さんのアミュレットの件はどうしますか。




「水玉ちゃんも自分の手でアミュレットを作ってもらいます」


「形に決まりはありますか」


「どんな形でも大丈夫 香りを付けないで百合ちゃんが預かって持ってきてね」


「あっ そこで聖女の術をかけるんだ」


「そう さすが百合ちゃん」


「えへへ」




姫子さん 最終工程は私に丸投げなのですね。


よろしい ならば戦争ですっ



「魔女の恋愛魔法も教えてあげてくださいな。

 恋愛の魔女って呼ばれているんでしょ」



無茶ぶりっ どやっ



「百合ちゃんでもできる魔法にしようか」


「はいっ」



恋愛魔法あるのですか。私も興味あります。ぜひ詳しく



「ケース付きのケシゴムを用意します」


ケシゴムですか。



「満月の夜になったらケシゴムに好きな人の名前を小さく書いてください」


名前を書くのですね。



「ケースをかぶせて、誰にも見せないように最後まで使えたら想いが叶うよ」



えっと・・・ その魔法、私知ってますよ。有名ですよね。

魔法と言いますか。おまじないですよね。



「満月の夜に書くのがポイントでしたか。だから失敗するのですね」



百合さん 妙なところで納得してしまいました。


ケシゴム魔法、密かに流行しそうな予感・・・





あれから百合さんの周りでは手作りアミュレットが徐々に増えているようです。


それだけ恋する乙女がいるのですね。素敵なことです。



百合さんへの質問攻めも一段落したようで何よりです。


爆乳の魔女さん・・・げふん 恋愛の魔女さん効果ありましたよ。



そして約束通り 水玉さんからアミュレットを預かってきた百合さん


太いひもを編み込んだ不思議な形のアミュレット


水玉さん器用なのですね。



百合さんは目の前で聖女の術を発動して欲しいオーラを出しておりましたが・・・


私は聖女ではありませんからね。

やりませんよっ



学校帰りに水玉さんとふたりで受け取りに来てもらうことになりました。





水玉さんのアミュレットが気になってやってきた爆乳姫子さん


ケーキを食べに・・・ではないですよね。



「聖女の術やってよぉ」



姫子さん へんな要求をしないでください。



「でもこれは気持ちの問題でしょ 百合ちゃんと同じようにやってあげましょうよ」



あなたが見たいだけでしょっ やりませんよっ



水玉さんのアミュレットにも百合さんと同じように『月下美人』のアロマオイルで香り付け


アロマ用のセラミックを中に仕込んで、我ながら上手に出来ました。




そして姫子さんが席を外した隙に・・・



水玉さん 私は聖女では無いけれど、恋を応援する気持ちは本物です。


せめてもの願いを込めてあげる。




『聖なる力よ 内なる魅力を届けよっ ミューズ』




百合さんの成功例があるおまじない。


これが私の出来る精一杯 あとは勇気を持って恋してくださいな。




「結局やってあげるんだ。やさしいね。さすが聖女さま」



姫子さん 隠れて見ていたのですね。騙しましたね。



「とりあえずケーキっ」



仕方ありません。約束ですからね。


お茶にしましょう。



姫子さん 何も見ませんでした。 良いですね。 何もなかったのです。




「聖なる力よ ってカッコ良かったぁ 百合ちゃんファンになるはずだよ」



姫子さん お黙りなさい。 揉みますよ。





「雪ねえさまと同じ香り・・・」



大切そうにアミュレットを受け取る水玉さん



「私と同じように作ったもらったんだよ。だから・・・ねっ」



意味ありげな百合さんの解説




その恋 聖女と魔女さん、そして賢者先輩が見守っているからね。


実を結ぶことを信じて 咲き誇れ乙女の恋




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謝辞


本来近況ノートに書く事柄だと感じますがあえてここに書かせてください。


本作品地味な内容にもかかわらずここまで読み進めて頂いて感謝致します。

先ほど確認致しましたところ1000PVを達成致しました。


他の作家さんであればもっと早く達成しているかとは思います。

しかし私が紡いだ拙い文章をこんなに読んで貰えたこと

涙が出るほどに感動しております。

ありがとうございます。

みなさまが読んで頂けるので次のお話を紡いでくることが出来ました。


これからも本作と百合さんの恋の応援をよろしくお願い致します。


心からの感謝を込めて


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