第30話 大きなカーペットを洗ってみた末路

 カーペット、皆さんは洗ったことがあるでしょうか。


1、2畳くらいの大きさなら洗濯機で洗えてしまうので楽なのですが、つい最近リビング用の大きなカーペットを手洗することに決めました。


 そもそもなぜそんな面倒なことを思い立ったのか。それは、柄が可愛いくて質が良いカーペットだからです。


そんなカーペットとの出会いは、夫と付き合いたての、初めてのお宅訪問の時です。リビングに通されて1番初めに目がいったのが、そのカーペットでした。


くすんだ水色とベージュでペルシャ絨毯のようなゾウとニワトリの絵柄でとても可愛いカーペットです。


ただ、何年も洗っていないため少々汚れていました。


そのため、結婚して夫の家に住んでいる今、

カーペットのお洗濯欲がわいたのです。


 さてさて、お洗濯の話に戻ります。しっかりした生地なので、お風呂場に持っていくだけで一苦労でした。(なぜこの時のちの大変さに気づかなかったのか…)


柄面を表側にして折りたたみ、浴槽に入れます。

ここまでできれば、あとは水を入れておしゃれ着ハイターを撒き散らして、浸け置きをするだけです。


数時間後に汚れた水を一度流し、また新しい水とおしゃれ着ハイターを追加して一晩寝かせます。


 翌朝。


浸け置き終了です。


ここからが苦労の始まりなのです…。


浴槽から引き上げようとするのですが、

これが重い重い…。


日中はインコしか家におらず、緊急時に助けてもらえないので、腰を痛めないよう慎重に動きました。


何とか浴槽の縁をマットの中心にして

広げます。重過ぎて、自分は何をしているのだろうと途中で我に帰りました。


やっとの思いでシャワーでさっと流してみるものの、あまり綺麗になった様子は見受けられず。


念のためハイターを少しずつ足しながら

ブラシで細かくこすり洗いをしました。


すると結構綺麗になり、嬉しかったです。


しかし、重たければ面積も大きいカーペット。

こすり洗いする箇所が多くて心が折れます。


途中でギブアップしました。


心はもう「大丈夫!あとは水で流して干せばそこそこ綺麗に見えているはず!」と、謎の自信を持ち、こすり洗いを終わらせました。


大き過ぎて洗濯機に入らないので脱水せずです。

(これも大誤算〜)


今度はお庭に持って行がなければなりません。


なるべくコンパクトになるよう自力での限界の四つ折りをして、洗濯物カゴに半分ほど突っ込み、洗濯物カゴの下にマットを敷いて引きずるようにお庭まで移動させました。


(お水を撒き散らしながら廊下を移動したので、後に拭き掃除が待っています。戦慄です)


全身に力を込めてこすり洗いをしていたので、

もうカーペットを持ち上げる力が出ませんでした。(これも大誤算です)


最初はお庭の物干し竿に干す予定(大誤算…)でしたが、水をたっぷり吸ったカーペットの重さに耐えられるはずもないことに気がつきます。


家の中に置いておくわけにもいかないので、

レンガ造りの段差に立て掛けるように

干してみました。


できるだけ乾いておくれと願いながら

作業強制終了させました。


その後食べたあずきバーアイスが

いつも以上に美味しく感じて幸せでした。


 夫に失敗の旨を連絡してみると、


「家に帰ったら、2階のベランダに干してあげるよ」


とのこと。私が勝手に失敗しても、フォローしてくれるのでありがたいです。


帰宅後、1人で2階のベランダまで抱えていって、干してくれました。(神対応に感謝です)


人は1人では生きていけないと、しみじみ思いました。




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結婚してとりあえず期間限定で専業主婦になってみたインコ飼いの私 しょうゆ水 @shoyusui

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