第3話ロキの実力

 ヨルムンガンドが海に捨てられ、ヘルが冥界に送られたが、フェンリルはアース神族の監視下にあった。食事も与えられていたが、予言の事もあり、皆フェンリルを恐れたが、テュール神は食事を与えていた。日に日に大きくなり、力も増し、神々はさらに恐れた。そのため、フェンリルを拘束することにしたが、レージング革のいましめも、レージングの二倍の力を持つ鎖のドローミ筋のいましめも難なく引きちぎった。そのため、スキールニルをドワーフにグレイプニールを作らせ、岩にグレイプニールでフェンリルをくくりつけた。フェンリルはテュールの右腕を噛みちぎったが、縛りつけられ、下顎に柄が、上顎に剣先がくるように、口に剣を押し込んでつっかえ棒にされた。

 事は急に話が進む。うまくヨトゥンヘイムと連絡をとることに成功したロキはアース神族と戦えることを確信する。だが、オーディンは巨人族との戦いに備え、人間同士で殺し合いをさせ、散った人間の魂の中から勇敢な魂半数をワルキューレに選別させ、自らの館であるヴァルハラに集めさせていた。このままでは負けると思ったロキは、敵勢力を減らそうと考えた。そこで浮かび上がったのが、優秀なオーディンの息子である光の神バルドルであった。バルドルを殺せば勝率は上がると考えたロキは暗殺を決意する。しかし、すぐにバルドル殺害の予言が出たため、バルドルの母フリッグがバルドルが死なないよう、全ての生き物に誓約を結ばせ、バルドルを殺さないようにした。しかし、その時宿木やどりぎであった木には誓約を結ばせることはできなかった。その木で矢を使ったロキはバルドルの兄弟である、盲目の神ホズに弓矢で射るよう仕向け、殺害することに成功した。フリッグはバルドルにもう一度チャンスを与えるよう冥界の王に頼むが、その時の王は奇しくもロキの子であるヘルであった。当然認めることはなく、ホズを騙したロキは頭に毒が滴るように縛り上げられて幽閉された。

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